過去ログ - 削板「一緒に暮らさないか、百合子。」
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67: ◆owZqfINQN1ia[sage saga]
2013/09/07(土) 17:07:20.81 ID:lxiuhEmco

「あくせられーたは夜更かしさん?睡眠不足はお肌の大敵かも。」

くぁ、と大きなあくびをして猫のように伸びた彼女を見ながら修道女は訊ねた。

「俺の場合、どうとでもリカバリできるしなァ、」

事実赤子のように瑞々しく肌理の細かい白い肌を持った彼女は、然程興味がなさそうに呟いた。どんなに不摂生な生活をしていても去年の夏頃までは能力のお陰で何の問題もなく、筋力に乏しいこと以外はお手本のような健康優良児であったし、今だってたまの能力使用時についでに体のケアをしているので然程劣化はしていないと思う。学園都市の最先端技術で全身隈なく検査したところで、筋力と脳の損傷以外はほぼ100点満点のスコアを弾き出す自信があった。

「あくせられーたはきっと、自分の状態をよく理解しているだろうし。しちゃいけない無理と、してもいい無理の線引をできているのだろうけれど、」

「でもそれは、あいほやらすとおーだーには伝わっていないんだよ。」

「説明したって分かりゃしないだろ。」

事実彼女の複雑な能力が、その体内でどのような働きをしているか、黄泉川愛穂はもちろん、その能力を支える代理演算を行っている打ち止めや、曲がりなりにも一線級の科学者であった芳川桔梗にだって正確には理解できないだろう。だから彼女は語らない。ただ、問題ないから心配すンな、と気遣っているのか突き放しているかも曖昧な言葉を掛ける。

「そうだね、きっと分からない。だからもっと別の方法で安心させてあげないと。」

「俺のこと、アイツらは信用できねェってのか。」

「そうじゃないよ、ちゃんと信じてる。」

「でもそれでも不安になるのが人間じゃあないの?あくせられーただって、分かる筈だよ。」

「らすとおーだーのこと、信じていないわけじゃないでしょう。でも、時々不安になる。そういうこと、あるでしょう。」

一方通行は何も言い返さなかった。学園都市第一位を心配するというのと、色々とトラブルに巻き込まれやすい幼い子供を心配するのでは全然状況が違うと思うのだが、そう言い返すとこの修道女には「お互い様」と言われるのがオチだったからだ。
自分がどれだけ強かろうが、事実色々なトラブルを解決してきた実績があろうが、心配なんぞしてくれる物好きというものはいるらしくって、自分もそういう連中が嫌いではなかったから、鬱陶しく思うことはありつつも受け入れていた。



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