25: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/09/01(日) 00:07:32.42 ID:bfV/Z+I8o
翌日、オレは初めて訪れた住宅街の中を歩いていた
ネネの実家は群馬県にあり、東京からだと少し遠い
昨日のあの話の後に、オレはネネに名刺を渡して駅まで送った
それから数時間後に電話があって、今日なら両親の都合がいいと言われた
だったらこういうのは早い方がいいと思い、二つ返事でオーケーしたものの
何の準備もなく他府県に出かけるというのは少々無謀だったようだ
「ったく、ネネのやつ。こんなところから来ていたのか」
(今度、車でのルートも確認しておかないといけないな……)
別にネネは何も悪くないが、とりあえず愚痴ってしまう
幸いネネは未成年なので働ける時間は限られており
深夜に送り迎え等はしなくても良さそうだ
交通費と車は会社から支給されるが
この移動にかかる時間は常に頭に入れておかないといけない
履歴書を眺めていた時は何とも思わず流してしまっていたが
東京から遠いということは、それも厄介事の一つとしてカウントされる
普通ならこういうケースは女子寮に住むのが一般的だ
しかし、ネネにはそれができない事情がある
ならそこはオレがカバーしてやるしかないのだろう
「……ここか」
そうこうしている内に、目的の場所にたどり着いた
どこにでもあるような一軒家だが、建てて間もないのか?
綺麗な見た目をしていて、新築のそれとほとんど変わらない
(家庭環境は良さそうな感じがするな……)
仕事で人の家に訪れるなんて初めてなので、少し緊張していた
大体、女の子の両親と面と向かって話をするなんて結婚の時くらいだろう
オレは慣れないネクタイを締め直し、余計なボロが出ないように気を引き締め直した
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