過去ログ - 栗原ネネ「ブレイブルー」
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4: ◆delkBMjP.Ce4[saga sage]
2013/08/31(土) 23:23:47.24 ID:xp1O2wjRo

「プロデューサーの業務についてですが……」

意気揚々と出社してきたものの早くもノックアウト気味だった
勤務初日と言う事で、業務説明を受けたまでは良かったのだが
長い長い呪文のような言葉が右から左に抜けては消える
丁寧に解説をしてくれているトレーナーの彼女には悪いが
正直な所、話している内容は3分の1も頭に入っていないだろう

というより、トレーナーってアイドルの面倒を見るんじゃないのか?
そんな疑問をぶつけてみたが、人手不足という一言で片づけられた

寝るのは流石にまずいので、眠気を紛らわすためにノートにペンを走らせる
しかしそのスピードは緩やかなもので、周りと比べると半分くらいしか書けていないだろう
オレと同じ時期に入ってきた人間は真剣な眼差しをして講義を聞いている
よくもまぁ、こんな風に話を聞けるものだ。人間としての構造からして違うのだろうか?

(……いや、オレが駄目すぎるだけか)

そもそも、この業務説明は変な部分があった
最初の自己紹介から「おや?」と思っていたのだが
説明を受けている人、つまり俺と同時期に入社してきた人達は
年齢、性別、過去の経歴からしてみんなバラバラだ
そして、極めつけは元々この業界に居た人は一人もいないということ
大体が十か五以上は歳が離れていて、オレは一番年下になる

(金の卵でも探しているのか……?)

才能と言うやつは誰がどんな事に秀でているかは分からない
ある程度適当に人を集めて、ふるいにかけていくつもりなのだろうか?
だとしたら、才能の無かった者は不要という事で切り捨てられるってことか

それならば俺がここに受かった理由も説明がつく
今はヘマをして変に目を付けられるわけにはいかない

「と言う感じで皆さんには業務を行って頂きます」

「…………」

度々投げかけられる全体への生存確認に『はい』と元気よく返し
作るのに凄く時間がかかったであろう資料に目を通す
これさえあればこの研修の内容は何とかなりそうだったが、
少々というか、大分と可愛く書かれていて漫画みたいな資料だった

「えっと、じゃあ実際にプロダクションの中を見て回りましょうか!」

パンッと注目を集めるように手を叩き
「お待ちかねの時間が来ましたよ」とアピールしてる
これ以上は話を聞いてられそうになかったので助かった
立ち上がるだけでも頭を支配していた眠気とはオサラバできそうだ



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