過去ログ - 上条「アイテムの正規メンバーですか」
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958: ◆Ks/3680U6o[saga]
2014/01/30(木) 20:52:18.88 ID:3L3phDi+0




執事は疲弊しきっていた
夜勤の肉体労働は思ったよりも辛く厳しいものだった
それに顔に火傷の痕があるため外で買い物をすることも憚れる
人目に触れず、血の繋がりもない麦野を一人で養っていかなければならない
そしてそれに拍車をかけるように麦野の小学校の成績が非常に悪かった事実が執事の精神状態を悪化させる



執事は執事としては珍しく女性だった
執事は家族を捨ててまで麦野家に、麦野沈利に仕える立派な執事だった
家族を捨ててまで選んだ仕事を途中で投げ出したくはなかった
だからこそ、麦野沈利ではなく麦野家の資産を狙う大人たちに真っ向から立ち向かい、麦野を守ってきた
麦野家に仕える者として資産に手を出すこともしなかった


だが執事の顔は火傷の痕で醜くなっているのに対し、麦野自身はどんどん綺麗になっていく
麦野には毎日顔を合わせなければならず、時々彼女が笑うとそれは執事にとっては嘲笑にしか見えなかった

嫉妬していた

麦野は両親の資産を狙う汚い男ではなく、麦野沈利を見てくれる男と将来結婚できるだろう
それが容易に想像出来るほど麦野の容姿は精錬されていった
それに今の自分の境遇を比べて執事は激しく嫉妬していた




そして、決めてしまった




麦野沈利を捨ててしまうことを




執事は学園都市の入学費のみを払い麦野を『置き去り』として捨てた
しかし罪悪感に苛まれ、この数年間何のために耐えてきたのかわからなくなり精神を壊す

非情になりにれなかった彼女は麦野家の資産で精神病院に通い入退院を繰り返す日々を過ごすことになってしまった





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