過去ログ - 上条「アイテムの正規メンバーですか」
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◆Ks/3680U6o
[saga]
2014/01/30(木) 20:56:51.25 ID:3L3phDi+0
そんな時だった
例の年上の女の子が複数の研究員とともに普段使われていない部屋に入るのを目撃したのは
別に今まで何度かあったが今まではそれほど気になったわけではなかった
でも性の知識も少しばかり身に付けた麦野にとってそれらしい匂いがして興味がわいた
だからこそその部屋のすぐ外で耳を壁に当て中の様子を伺っていたのだ
「それじゃいつもみたいに頼むぜ?」
「はい……」
「おいおい、嫌な顔すんなよな。別にお前がやらないなら麦野とか言う中二の女でも良いんだぞ?」
「だ、だめっ!」
「ほら、いつもみたいにやってみろよ」
「早くやんないと終わらないぜ?」
「う…うぅ……」
「かぁーっ、もう一年以上も経つのにまだ慣れてないのかよ。ほらこうやって舐めるんだよっ!」
「きゃっ!」
麦野は尊敬する年上の女の子が自分の身代わりにこうなってしまったのかと思った途端怒りが沸々とわいてきて、今すぐにでもその研究員たちを跡形もなく消し去ろうと、扉に手を掛けた
その時…
「それにしても、『置き去り』たち全員の身の安全を確保するために自分からこんなことし始めるなんて立派なモンだなぁ」
「それが代々受け継がれてきた『置き去り』のシステムってんだから学園都市の研究職はやめられねぇ」
「あぁ、最先端技術もいじくれるし文句なしだ。ほら、今度はこっちにケツ向けろやっ!」
「は、はい……どう、ぞ……」
「イイぞ。ほらお前はその物足りなそうな口でも塞いでやれ」
「おぉ、これ咥えろ。ほら」
「ぐぼっ……じゅぶっ……じゅぼっ……」
聞こえてきた事実に麦野は扉に手をかけたまま固まってしまった
自分が能力開発に集中出来ていたのは……
自分たち『置き去り』が安全に生活出来ていたのは……
誰かの犠牲の上に成り立っていたから
その誰かはずっと大人たちに汚され、良いように扱われ、性欲の捌け口にされる
女としての尊厳なんてない
ただただ性欲処理の道具として扱われる
そんな犠牲の上で何も知らずに自分は笑っていたなんて……
何も知らずに能力開発のみに力を注いできたなんて……
何も知らずに彼女だけに負担を強いていたなんて……
何も知らずに……
麦野は何時の間にか自室へと戻っていた
例の彼女は麦野と二人の『置き去り』の子を挟んで横に寝ているのが見えた
しかし、泣いていた
こんなことに一年以上も気が付かなかったなんて……
麦野は人生何度目かの絶望と激しい怒りをその身に宿す
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