過去ログ - バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 〜断章のアルカナ〜
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512:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/30(水) 13:25:25.76 ID:ZbrusG1n0
上条「でも殆どは殺してない、のか?」

バードウェイ「わざわざ私が手を下さずとも、あと何代かすれば崩壊していただろうな」

バードウェイ「奴も言ったように『人買い』がビジネスとして成り立ってしまったため、ハーメルンの笛吹男はその役割を終えたんだ」

バードウェイ「昔と違って貨幣経済の浸透、特定国では家畜より価値が低い人民」

バードウェイ「後は少々旅好きなマフィアが居れば誰だってやれてしまうんだよ」

上条「だから――あそこで死ぬのが正解、か」

バードウェイ「……同じ『結社』である私には分かる。どうしても連中は、笛吹男は自然消滅なんて耐えられなかったんだ」

バードウェイ「だから最後に勝負をして、惨めな敵役としてでも名を残したかったんだと思うよ」

上条「だからってさぁ。そんな事しなくたって」

バードウェイ「これはマークの話なんだが、昔犬を飼っていたそうだ」

バードウェイ「その犬とは幼い頃から兄弟同然で育ち――だが、人間とは比べるべくもなく寿命には差がある」

バードウェイ「老衰で床に伏せる事が多くなった老犬を、毎日毎日介護していたんだが、ある日」

バードウェイ「その犬は仲の良かったマークの掌に思いっきり噛みついたんだ。血が噴き出し、肉が見える程、強く」

上条「……」

バードウェイ「その後数日も経たずに老犬は天へ召されたが、お前は老犬が何で噛みついたのか分かるか?」

上条「覚えていて、欲しかったんじゃないかな?」

バードウェイ「マークもそう言っていたよ。そして自分の掌に今でも残る傷跡を誇らしげにしている」

上条「笛吹男も同じように」

バードウェイ「……どうだろうな、それも。殊勝な事を言っていたようだが、それもまたフェイクに過ぎないかも知れない」

バードウェイ「『盗躁』の名は伊達ではないよ。『必要悪の協会』やイギリス、ローマからも数世紀逃げ切り、尻尾一つ掴ませなかった」

バードウェイ「……ヤツがまだ生きていて、どこかで子供達相手に笛を吹いている気もするがね」

上条「……そう、かもな。きっとそうだ」


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