過去ログ - P「光射す日常――」
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68:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:13:49.32 ID:qgOebLqx0
【無意識空間】

P「んー……っと」

両手を組んで上に伸ばし、筋肉の凝りをほぐしていく。
現実の肉体がリラックスする訳ではないと理解しているけれど、それでもストレッチは気持ちがいい。

P「とはいえ、ストレッチだけっていうのもアレだよなぁ……」

『では何故そんな事をしているのか』と問われれば、『別に好きでやっている訳ではない』と答えざるを得ない。
他に有意義な事ができればいいのだが、この空間における新たな発見もなくなったし、現在の状況も分かっている。
つまるところ、暇なのだ。

P「スケジュールの進行に狂いはないし……二重人格も悪くないな」

恐らくだが、次の交代時には真とやよいをスタジオに送っていく事になるだろう。
撮影の仕事が入っているが、徒歩で行くにはスタジオが遠い。
ならば車を使うしかないが、運転手である『彼』はコミュニケーションが苦手だ。
『沈黙に支配された密室の車内』という光景が、ありありと目に浮かんでくる。

P「というか、『彼』って本来は『俺』と同じ筈なんだけど……」

『随分はっきりと分離したものだ』と、他人事のように思う。
俺からしてみれば、車での移動なんて喜ぶべき交流の機会だ。嫌う道理がない。

P「まあ、運転中に交代するのは勘弁して欲しいけどな」

『目を開けたら運転中でした』という事態は、今後一切ないように努めて貰わねば。
そうでなければ寿命が縮む。いや、縮むどころか無くなってしまいかねない。

P「それにしても、勿体ないよなぁ……」

こんなに楽しみな事はそうそうないだろうに、『彼』は皆と会いたくないらしい。
『俺』には理解できない思考回路をしている。同じ人物というのは、もしや何かの間違いなのではなかろうか。

P「――なんて事を『彼』も思ってるんだろうし、お互い様か」

『彼』にしてみれば、成果をすぐに実感できる書類仕事を嫌うなど有り得ない事だろう。
互いに互いを愚かだと思っている――あくまで推測だが――という意味では、『俺』と『彼』は本当に同一人物なのだろうな、と思う。
まあ、別人格との会話が成立しない以上、相手の考えなど確かめるべくもないが。


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