85:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:31:51.85 ID:qgOebLqx0
P「ん……時間か」
天井から落ちる滴が水面を打ち、波紋が広がる。
その中心に現れた像の輪郭は、相変わらず不規則に揺らめいていた。
P「今度は誰だろう?」
像をしっかりと見つめ、輪郭が訴えてくるイメージを読み取る。
結われた髪に、シンプルな眼鏡。
小脇に資料を抱えるような立ち方をしているその女性は、タイトなスーツを着ていた。
P「ああ、律子か」
律子「…………」
眼鏡の奥にある無感情な瞳が俺を射抜いているが、もう慣れたものだ。
というか、本当の律子の怖さはこんなものではない。
P「それはさておき、律子と会うのは久し振りだな……」
変な懐かしさすら覚えるのは、ここ最近、アイドルの皆とばかり会っていたからだろうか。
P「お互い忙しいからな……」
忙しいというのは、悪い事ではない。
ただ、いい事ばかりではないというのも確かだ。
そんな事を思っているうちに、空間に線が滲んだ。
見慣れた風景が次々と構成されていく。
P「やっぱり事務所だよな」
一日の始まりは事務所にあり。
よくよく考えれば、昨日と一昨日の二日間、律子に会わなかった事の方がおかしかったのかもしれない。
P「さてと……」
もう目を開けていられないぐらい、空間は光に満ちていた。
雑音が鼓膜を叩いている。
俺は、それに溶け込むように身を委ねて……
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