93:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:39:00.60 ID:qgOebLqx0
【昼、事務所】
意識がはっきりして、視界に事務所の景色が映る。
予想通り、社長室の扉の前で交代したようだった。
物音一つしないのは、事務所に人が居ないからだろうか。
それにしても。
P(ここまで来ておいて交代するなんて……よっぽど人が苦手みたいだな、『彼』は)
こんな状態で、よく仕事に影響が出ないものだと感心する。
まあ、支障が出そうな時は『俺』にバトンタッチするから問題ないのだろう。
P(それはそれとして……入るとするか――)
いや、その前に身なりを整えた方がいいだろう。
そう思って、ノックしようとしていた手を自分の身体に持っていく。
P「ジャケットよし。襟元よし――」
一つずつ口に出しながら服装をチェックして、だらしない部分は整えていく。
我ながら几帳面だと思わないでもないが、気を遣いすぎているという事もないだろう。
P「最後にネクタイよし……と」
お気に入りの青い――細かく言えば、水色と紺色のストライプだが――ネクタイを締め直し、扉をノックする。
少しの静寂の後、中から。
社長「入りたまえ」
という声が返ってきた。
書類を持ち直してドアノブを回し、社長室の扉を開ける。
P「失礼します――あれ?」
室内には、社長の他に音無さんが居た。
テーブルの上には、黒い液体で満たされたカップが置いてある。
二人はそのテーブルを挟んで、向かい合うようにしてソファに座っていた。
P(音無さんはここに居たのか……)
どうやら音無さんも社長に用事があったらしい。
朝に姿を見なかったのはそういう訳か。
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