過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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24: ◆tK49UmHkqg[saga]
2013/09/18(水) 01:11:19.93 ID:DoNZuk/2o

 「中尉。実は、中尉にお聞きしたいことがあって、伺いました」

「私に、聞きたいこと?」

中尉は首をかしげる。

「はい。個人的なことです。ですが、それはきっと、俺にはあまり話したくない事柄かと思っています。ですので…ポーカーでもしませんか?」

「え、待って。どうして急に?」

「俺が勝ったら、中尉に質問させてください。内容を聞いてお答えになりたくなければ、そう言っていただいても構いません」

「ふぅん、私のリスクは、最低限、ってことね?で、もし私が勝ったらどうしたらいい?」

「そのときは、俺が中尉の言うこととなんでも一つ聞きます。もちろん、無理なことは拒否させていただきますが…」

そこまで言うと、中尉は昨日と今日とで、初めての、ちゃんとした笑顔を見せた。

「なんだかわからないけど、まぁ、口車に乗せられたつもりで相手してあげるわよ」

「良かった」

そう返事をした俺自身も、顔が緩むのを感じた。

 中尉がデスクの引き出しからトランプを出してきて、手慣れた様子でシャッフルし、5枚ずつ配る。

「6回勝負で、10クレジット。勝負するときはオヤがレートを決める。降りる場合はレートに関わらず1クレジットのペナルティ。6回終了した時点で、手持ちのクレジットが多い方が勝ちね。オヤは、交互で3回ずつ」

「了解です。最初のオヤは中尉からで」

お互いにルールを確認して手札を見た。

 俺の手札は、2のワンペアで他はバラバラ。中尉の手札は、どうだろう?俺は意識を集中させて、中尉のイメージを感じ取る。脳裏に、中尉の手札が浮かんできた。4と10のツーペア、か。中尉がカードを変える。手元に来たのは…残念、クイーンか。俺も3枚のカードを捨てて山から新たに3枚取る。6、キングと…2だ。

 「とりあえず、手始めに…レートは2枚で。どうする?乗る?降りる?」

中尉がこっちの顔色をうかがいながらそう聞いてくる。2のスリーカードで俺の勝ち。降りる選択肢はない。

「乗りますよ」

俺はそう告げて、手札をテーブルに並べた。それを見た中尉は渋い表情をして

「ちぇっ。甘かったか」

とカードを広げた。まぁ、知っているから確認するまでもないが…俺は一応、カードを覗くしぐさをしてから喜んで見せた。

 テーブルに広げられたカードをまとめて、今度は俺がシャッフルし、5枚ずつに配る。さて、次は…と。
 カードは、バラバラのブタ。辛うじてクラブが3枚揃っている。フラッシュ狙いが妥当だろうが…中尉の方は…3のペアに、ジョーカーがあるな…この手札からスリーカード以上の役を作るのは難しそうだ。

 そう判断して、適当に3枚カードを選んで捨て、山から新しい3枚を引く。手元にあったクラブの4と、今引いた中にあったダイヤの4でワンペアだが、中尉のカードにはかなわない。中尉がカードを交換する。引いたのは、6を二枚。フルハウス、か。

「…これは、ダメかも。降りておきます」

俺はわざとらしくならないように気を付けながらそう言った。すると中尉はムスっと頬を膨らませて

「なによ、臆病ね」

と怒っている。せっかく良い手が出来たのに降りられたら、そうも言うだろう。

「慎重なんですよ」

俺はそれを軽くあしらって、カードを伏せた。今度のオヤは中尉。また中尉がカードをシャッフルして配り始めた。

 次のゲームは、ツーペアの中尉に対して、俺がスリーカード。その次は俺がツーペアで中尉もツーペアだったけど、俺の方が数が大きくて俺の勝ち。さらにその次は、中尉がスリーカードで俺は降りるつもりだったが、取り換えたカードでフルハウスが出来たので、レートを5に上げて勝負に臨んだ。ハッタリだと見越したらしい中尉はそれに乗ってきて、5クレジットマイナスだ。

 「ねぇ、イカサマとかしてないよね?」

中尉はいっこうに勝てないのが気にくわないのか、ジト目で俺を睨み付けてくる。イカサマもイカサマ。この手の感応は、能力次第では4歳か5歳のときに訓練される。視覚情報の共有は、案外に易しい。

 中尉の質問にあいまいに笑顔を返して、次のゲームにうつる。この辺りが、仕掛けどきだろうな。
 配られたカードを確認してから、中尉を見やる。中尉は俺をジッと見据えていた。俺の不正を暴こうとしているらしいが、普通の感覚では無理な話だ。
 


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