過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
1- 20
59: ◆tK49UmHkqg[saga]
2013/10/07(月) 15:16:11.08 ID:7/qYN4WS0

 「やめろ、エリック!!!」

そう叫んだ俺の声は、エリックの絶叫にかき消された。まばゆい閃光が走って、エリックの機体は、敵のモビルスーツと共に爆発の炎の中で砕け散った。

 エリック…エリック…なんでだ、お前らしくないじゃないかよ、そんな勇敢な最期なんて…!

なんでもっと一目散に逃げなかったんだよ、恐かったんだろう?!チビりそうだってずっと言ってたじゃないかよ!

本当は戦いたくなんかなかったんだろう!?それなのに…それなのに…!

 ゲルググ3機と戦っている間に、連邦機がさらに接近してきていた。逃げるんだ…逃げろ、ウリエラ!逃げろ…イレーナ!!

「逃げろ!」

俺は声の限りに叫んで、ザクを駆った。2本のヒートホークで、機動力だけを頼りに連邦機を斬りまくる。

機体がきしんで、Gで意識が飛びそうになることすら忘れていた。

<貴様らか!敵前逃亡を図っているのは!>

また、別のパイロットの声。見ると、先ほどとは別のゲルググが3機、また、親衛隊のエンブレムをつけたやつらが、ウリエラ達の進路をふさいでいた。

 <ちっ!しつこいんだよ、あんた達さぁ!>

キリが怒鳴って、ゲルググに向けてマシンガンを発射した。ゲルググは持っていたシールドでそれを受け止めると、一直線にキリの機体へ突撃する。

回避行動に入ったキリの機体をさらに追いかけ、高速でシールドをキリのザクへ衝突させる。

<うぐっ…!>

キリの声が漏れた。しかし、ゲルググは、もう片方の手に、ナギナタを装備していた。

「やめろぉぉぉ!」

<キリ!>

ザクをキリの元へと向けた俺の叫び声と、ウリエラのキリを呼ぶ声が重なった。だが、ゲルググはキリのザクにナギナタをつきたてた。

<ウリ…エラ…>

かすかにそんな声が聞こえて、キリの機体が弾けとんだ。

<うわぁぁぁ!!>

気付いたら、ウリエラがゲルググの下方からマシンガンを乱射しつつ接近していた。

中尉は、もう2機のゲルググの注意をひきつけるので精一杯で、ウリエラをカバーする余裕がない。

「ウリエラ、やめろ!」

マシンガンの弾を浴びて、装甲を引き剥がされたゲルググに、ウリエラが撃ち切ったマシンガンを投げ捨てて掴みかかった。

ヒートホークがゲルググを横に薙いで、爆発を起こす。ウリエラの機体は、その爆風にあおられて宇宙を舞った。

 そんなウリエラ機を、上方から飛んできたビームが貫いた。

<あっ…アレックス…>

ウリエラの、微かな声が漏れた。

 閃光が走って、ウリエラ機が爆発した。機体の、面影すら残さずに…

<ウリエラぁぁ!>

中尉の叫び声が響いた。

死んだ?ウリエラが…殺されたのか…?一瞬、頭の中が真っ白になった。

だが、それもつかの間、俺の胸の内には得体の知れない、熱くて黒い感情が爆発した。今のビーム、あいつか、あのゲルググか…

なんで、よりにもよって、キリも、ウリエラも味方機なんかに落とされるんだ…あいつら、あいつら…殺してやる…殺してやる!
 


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
71Res/131.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice