過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:17:24.58 ID:rEGEV1Wgo
マミ「ごめんなさいね、今日はちょっと……」
小さな声は遠慮がちだったけど、このドアを開けるのを拒んでいた。
それでもわたしはここに立つ。背筋を伸ばして、指先まで緊張させて。
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517
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:18:43.81 ID:rEGEV1Wgo
わたしは黙っていた。
下の階から、子供たちがドタドタと走る音、にぎやかな声が聞こえる。
わたしは扉に耳を押し付けて、何とかマミさんのつぶやきを拾う。
それは消えそうな、涙声だった。
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518
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:20:20.77 ID:rEGEV1Wgo
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夜の街を駆け抜けていくマミ。その頭上から声が掛けられた。「おい、どこ行くつもりだよ!」
電柱の上から飛び降り、正面に立ちふさがったのは、杏子。マミは足を止めた。肩で息をしている。
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519
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:23:28.91 ID:rEGEV1Wgo
髪留めを乱暴に引き抜くマミ。
縦ロールがくるくると無軌道に暴れ、ほどけて広がった。マミは叫んだ。
マミ「もう誰も守れない! 魔女に銃も向けられない!」
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520
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:26:34.15 ID:rEGEV1Wgo
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叩けば引き、追えば逃れる。10本足の魔女。
そんな異形の彼女が反撃に転じた理由はひとつだけ。
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521
:
◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:28:21.99 ID:rEGEV1Wgo
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魔まどか「やっぱりどこにも魔法少女がいないよ」
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522
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:29:51.72 ID:rEGEV1Wgo
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マンションのオープンテラスは、マミの貸し切り状態だった。
夜風が湿っぽく頬を撫でる。どんよりと、絵の具を滅茶苦茶にかき混ぜてしまったような、渦巻く灰色。
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523
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:31:19.97 ID:rEGEV1Wgo
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マミは一向に姿を見せなかった。まどかは放課後に彼女を訪ね続けたが、いつもドア越しの会話だった。
もう一人のまどかは、市外でのパトロールに精を出し、多くの魔女を倒し続けた。
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524
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:33:38.50 ID:rEGEV1Wgo
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冷たく澄んだ空気を叩く、廊下の足音。
雲行きは悪くなる一方で、降り注ぐ雨が路面を洗い、夕暮れ時の人々の足を早めていた。
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525
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/11/09(日) 23:35:03.56 ID:rEGEV1Wgo
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電話越しのほむらの声が響く。トーンを落とし、申し訳無さげな声。
リビングに立ち、受話器を持つまどかは、黙って聞いていた。心がキュンと冷え込んで、次の思考も声も封じられてしまった。
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