過去ログ - まどか「もう大丈夫だよっ」まどか「あなたは……!」
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◆D4iYS1MqzQ
[sagesaga]
2014/12/08(月) 01:47:39.76 ID:SKOUGcato
*
さやか「――――おいっ、何やってんだよ!!!」
ほむらは、パッと手を離した。
宙づりに首を絞められていた仁美は、地面に崩れ落ちた。ぐったりと倒れ、意識を失っているようだった。
さやかは目を見開いていた。目の前の光景を信じられない様子だった。――本当にコイツが仁美に手を出すなんて!
足元の仁美を見もせずに、ほむらはさやかに振り向いた。
ほむら「気にしないで、ちょっとした依頼をしてただけだから」
ほむら「…………それにしても、早かったわね。杏子は一緒じゃないの?」
やれやれ、と溜め息を吐く。余計な邪魔を、と言いたげな顔だった。
さやかはその顔と、うずくまる仁美を見て、怒りで顔を真っ赤にした。拳を握りしめて叫ぶ。
さやか「いいから仁美から離れなさいよ!」
「イヤよ」ほむらは即答した。「コイツの存在は百害あって一利なし。野放しにしておくとロクな事が無いわ」
全く悪びれる様子も無く、ひたすらこちらの神経を逆なでしてくる。微かに笑みさえ浮かべていた。
さやかは唇を噛んだ。
さやか「……おせっかいなら、やめてくれる!?」
こんなの全く望んでない。むしろ屈辱だった。さやかは怒りで自分を制御できなくなっていた。
ほむらは彼女の気持ちを正確に察して、しかし逆に笑みを深めた。「別に、あなたのためじゃない」
さやかは眉をひそめた。
さやか「あたしのためじゃないって……、じゃあ、何よ」
さやか「また、まどかのためかよ」
うんざりしたように、彼女は言った。
しかし、ほむらの答えはさやかの予想を裏切った。
ほむら「これは私のためよ」
さやかは今度こそ怪訝な顔をした。いつものほむらと明らかに違う。コイツは何だってまどかのためだと言う奴なのに。
仁美が地面に倒れたままわずかに顔を上げていた。「さや、かさん…………?」ぼんやりとした声。
ほむらは気付いていなかった。夕陽の色に染まる空を見上げて、コツコツと歩きながら、陶酔したように歌う。
ほむら「まどかのおかげで目が覚めた。私の本当の気持ちに気付けたわ。私は、まどかを手に入れたいだけだったの」
ほむら「私のまどかと、このまどか。重ねていた…………」
両手を高く伸ばして、宙にある何かをつかみ取るような仕草をするほむら。
さやかは背筋が寒くなるのを感じた。こちらに向けられた感情ではないのに、ピリピリと痛かった。
「今日は帰りなさい」と抜け抜けと言ったほむらの、腹の底が見えた気がして、さやかは吐き気がした。
ひるむな、と自分に言い聞かせて、さやかはやっと口を開いた。
さやか「……まどか愛も極まると、ハタ迷惑だってことでいいわね」
ひるんでなんかいられない。仁美はライバルである前に、友達なんだから。
アイツの勝手で傷つけさせはしない! さやかは前のめりになり、徐々に闘気を膨らませていく。
ほむらはフッと目線を下げ、腕を下ろした。ゆっくりと振り向いて。
ほむら「ああ……、これは愛じゃないらしいわ」
ほむら「じゃあ…………、これは、何なのかしら? ただの妄執かしら…………」
ほむら「もう心置きなくやれるわ。まどかにまた振り向いてもらうためなら。私はコイツにどんな事だって出来る」
ほむら「さやか……。私はあなたのこと、友達だと思ってるけど。邪魔するなら、今はあなたにだって容赦しないわよ」
風がざわめき、ほむらの殺気が強まる。さやかは身を硬くした。
仁美は困惑した様子で、二人を交互に見た。動くことは出来なかった。
すでに戦機は熟していた。さやかは仁美をちらりと見てから、長く息を吐いた。顔を上げて。
さやか「友達か…………」
さやか「ありがとう、望むところだよ。友達のイカれた頭。ぶん殴って治してあげる」
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