過去ログ - 妹神「人族を止めてくれ」 姉神「貴女が何とかしなさいな」
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以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/18(水) 11:50:26.30 ID:ocD7F65P0
人々が血潮と努力で築き上げた大成を、快く思わぬ存在もいました。
魔翌力ばかりに頼り、技術の発展を否定し続けた亜人達、そして女神の妹、クー・アクヤです。
広大な心を持つ姉神と対照的に、矮小なる妹神は、豊かな創造力を持つ姉神と、努力と精進で世界を変えた人族を妬みました。
その心は徐々に邪悪な闇を産み出し、その嫉妬の炎が抑えきれなくなると、環境の神は深い闇の底へ身を堕とし、魂より溢れた醜い魔が、厄災と化して、世界へ噴出しました。
それが、後の世で魔族と呼ばれる存在の始まりです。
そして、闇の塊は、瞬く間に軍団を成し、世界に襲いかかってきました。
褐色の腕が伸ばされると、宙に生まれた灼熱の火弾が、城壁に撃ち込まれて爆砕する。
瓦礫に交じり手足が吹き飛び、爆風が人々の悲鳴と怒号を掻き消すと、戦列を成した黒い集団は、隊伍を組んで破壊の火の手を上げていく。
戦果を上げる度、闇の軍団を指揮する少女は拳を握りしめ、食い込んだ爪が皮膚を破って血を流す。
表情を苦渋に歪ませた造物主の隣りから、褐色の女が静かに告げた。
魔族の長「貴女様は、必要を成しています」
妹神「……はは、姉さんに、言われた通りだ。私は世界を創るセンスが無い。こんな形の修正しかできないのだから。君達も、良い迷惑だろう。まるで[
ピーーー
]ために生み出されて――」
少女の唇に、女の褐色の人差し指が当てられる。
人を屠る者として、人を基に創り出された破壊者の褐色の指は、温かい。
そして女は頭を横に振ると指を離し、三歩下がって跪く。
魔族の長「ご無礼を、お許し下さい」
妹神「……失言だったよ。信じて貰えるかわからないけどさ、君達はね、私が望んで産んだんだ」
魔族の長「我が神、クーアクヤ様。子が、どうして母たる貴女様を疑いましょう。そのお言葉さえ頂ければ充分です。我らは世界を護るため、御身の炎となりましょう」
女が改めて頭を垂れると、背後に控える魔族の大軍団も、長に合わせて跪く。
少女は大地を埋め尽くす黒い子供らに振り返ると、唇を真一文字に結び、再び眼前を見据えた。
その先に蠢く白銀の群れ。前列に火砲を並べ、槍衾と鎧で身を固めた人族の軍団。
敵の数は、魔族の十倍を悠に超える。
それでも少女、後の世界で邪神と呼ばれる一柱は、一歩も引かず、ただ一言、静かな声で勅命を下す。
妹神「――灼き払え」
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