過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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18:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 19:31:27.07 ID:FkLb1xlW0
 風の刃。
 さきほどから使っている、唯一マートが使える攻撃技。
 シンプルだが、それゆえに強力。
 動きの鈍ったキマイラの眼を、風の刃は打ち抜いた。
 そして、視界を失ったキマイラの爪は、闇雲に宙を切る。

 キマイラの翼がここに来て初めて羽ばたき始めた。
 おそらくは、劣勢を悟っての避難。
 だが、それを許すほどマートは、否、魔術士たちはお人好しではない。
 スケアクロウの刀とマートの風の刃。
 それらが一枚ずつ、翼に激しい裂傷を与えた。
 もはやキマイラにできる抵抗は、じたばたともがくことのみ。
 後は単純な流れ作業。
 慎重に近づいて翼を斬り落とす。
 大型の合成獣との戦いとは、こういった過程を持って終わりを迎えるものなのだ。

「お疲れさまっす!」
「お疲れさま」
 あいさつはそれなりに、魔術士は相手方に深く突っ込まずに『町』を出る。
『町』と街の狭間の、妙な感覚を感じながら。


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