過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
1- 20
35:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:02:56.51 ID:FkLb1xlW0
だが、震えてばかりもいられない。
戦わなければ、待っているのは死、あるのみ。
……とはいえ、いくら合成獣のパーツといっても、攻撃するのには抵抗がある。
マートはわずかな望みにかけて他のパーツも探すことにした。

竜と言っても、火は吐かないようだ。
しかし、なにぶん、その巨体だ。
必然的に攻撃範囲も広くなる。
普通に走って回避しようとしたのでは、すぐに追いつかれてしまう。
そこで、マートはとある魔術を使用することにした。
攻撃技ではない。
風の力で推進する魔術。
応用すれば、短時間の飛行も可能だ。
今回は、その応用の方も使用機会が多そうだ。
ひゅっ。
そんな事前予告の風切音が、マートの耳に届く。
そこで、マートはベクトルの違う二つの風を発生させる。
竜にとっての向かい風と、自分にとっての追い風。
もちろん、強風などとなまやさしいものではない。
人が食らったなら、確実にその身を浮かすであろう風だ。
その結果、尻尾の推進力は著しく低下。
逆にマートの動きは普段の数倍以上。
マートが竜の攻撃を躱すのは、必然と言えるだろう。
回避行動を続けながら、マートは竜の周囲を回り、その全体像を確かめていく。
しかし、どこに周りこもうとも、あるのは無数の腕のみ。
仮に、それ以外のものがあったとしても、埋もれてしまい、探しにくくなっているだろう。
さらに、手は蠢いている。
まるで生きているかのように。
それが、竜のおぞましさに拍車をかける。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
69Res/65.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice