過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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41:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:06:07.25 ID:FkLb1xlW0
ウィッチはもう少し残るらしい。
マートは足取り重く、帰路につく。
そして、『町』を越え、街に戻った時、視界に先日の魔導士・スケアクロウが映った。
「あ、エラメクさん、こんにちはっす!」
スケアクロウはこれから仕事なので、気持ちを上げようとしているのか、テンション高く挨拶する。
それが、今の沈んだマートとは、やや合わなかった。
「うん」
「元気ないっすね……」
「まぁ、ちょっと、合成獣にやられそうになってね。別の魔術士の人が助けてくれたけど」
しかし今は、どこかに気持ちを吐き出してしまいたい気分だった。
見知った顔のスケアクロウが通ったのは、マートにとって幸運と言えただろう。
「へぇ。なんて人っすか?」
当然、マートの内心事情など知る由もなく、スケアクロウはズカズカと尋ねる。
「……ウィッチって名乗ってたわね」
「……!」
マートがウィッチの名を出した時、スケアクロウの表情が一変する。
「スケアクロウ?」
「まじっすか!? まだ居ますか!?」
興奮した様子でマートに詰め寄るスケアクロウ。
どうやら、ウィッチを知っているようだった。
「う……うん。まだ残るって」
若干押されながらも、マートはウィッチに関する情報を告げる。
「もう俺、ウィッチさんにほのじなんすよ!」
「……ほのじ?」
あんたはいつの時代の人間だ。
マートは喉奥まで出かかったその言葉を、しっかりと呑み込み戻した。
しかし、沈んだ気分が少しだけ、やわらいだ。
マートの内心構成は、疑問と感謝が半々といったところだった。
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