過去ログ - 盲目幼女「お腹が空いてるの?」狼「気にするな、もうすぐご馳走にありつける」
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2013/09/23(月) 22:17:39.14 ID:Z+ZcL0Ap0
鬱蒼とした森の中。幼女の隣を、腹を空かせたオオカミが歩く。
1人と1頭の他には誰も居ない。木々の間に響く音も、1人と1頭が歩く音。
そしてコツ、コツとした、杖の音だけだ。
幼女 「オカさん、案内、ありがとう。独りぼっちで寂しかったトコなの」
オオカミ「なに、道が同じだっただけだ。その瞳では大変だろう」
目が悪いのか、幼女は道を探るように杖をついていた。
魔物ひしめく迷いの森で、多少、肉付きが悪くとも、柔らかい肉はごちそうだ。
オオカミが、盲目の幼女を引き裂くのに、三秒とかかるまい。
込み上がる飢餓感は、その細首に喰らいつけと牙に命ずる。だが、オオカミは、そうしない。
生きるために喰う。そこに、ためらいは無い。
問題は、幼女が右手に持つ忌まわしき拳銃だ。
かつて、オオカミの親兄弟達は、皆あの道具に殺された。
それに、あの左手の杖で骨を折られたら、オオカミの今後にひびく。
手負いで生き残れるほど、魔物は甘く無い。
オオカミ「お前のような娘に、右手の鉄は重かろう。俺は自分の倍ある獲物を担ぎ、この森の端から端まで走れるほど力持ちだ。どれ、そいつを持ってやろう」
幼女 「ありがとう。でもこれは村長から預かった大切な物なの」
オオカミ「では、左手の杖はどうだ。俺の鼻は危険を嗅ぎ分け、どんな目よりも役に立つ。どれ、俺がお前の目になろう」
幼女 「ありがとう。でもこの杖は羽根より軽く、ずっと私の目となってくれた自慢の杖だよ」
幸いにして、幼女はオオカミを人間と思い込んでいたが、思いの外に頑固だった。
そして幸運な娘だと、オオカミは思った。
ここは護神が去った後に残された、迷いの森。
どこまでも変わらぬ景色に、大抵の人間どもは発狂するが、幼女の瞳には、森もオオカミも映らない。
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