過去ログ - 黒子「おまじない……?」#3.5
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62: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2013/10/24(木) 23:08:26.69 ID:BHTH2ViG0

 初春「……ほっ……」

 辛うじて落下を免れたことを認識すると同時に、思わず安堵の息を漏らす。
 だが、このままの状態でずっといるわけにもいかない。
 左足は相変わらず、つま先を奈落の底に向けた状態でぶらさがったまま。
 右足はひざより下の部分が床の上に乗りかかっていた。
 割れた床のささくれが内ひざに当たり、時折ちくちくとした痛みを感じる。


 初春「と、とにかく……右足を梁の上に乗せて……」

 考えていることが口に出てしまう。
 余裕が無い状態で、何とか落ち着かせようとしたのだった。

 右足のふくらはぎを、手前へとずらす。
 横から見てZの字状になったところで、つま先をゆっくりと梁が伸びていると思える位置まで下ろしていく。
 梁は奥までしっかりと伸びており、靴底から固いものに足の裏が乗りかかる感触がした。


 次に、後ろ手で梁を掴むような形にしようと両手を動かす。
 梁の上に乗せた両親指を支点にして、上体をゆっくりと起こした。
 後頭部にできた傷が疼き、視界が時たまぼやけるものの、気にしていられない。
 変にふらつき、体制を崩してしまわないように注意しながらも――何とか体を起こすことができた。

 視線はちょうど床面より少し上の位置にあるといったところか。
 左手には円形状に並べられた、複数の木製のイーゼル。
 それら全てに掲げられている、絵が描かれたキャンバス。





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