4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/09/26(木) 01:03:22.27 ID:ZT2DrA0fo
「……そうだね。季節的にはちょっと早いけど。こんな雨のことさ」
時雨はまた窓の外を見る。
その碧い目は、鎮守府の景色でも、波の様子でも、雨でもなく、どこか遠くを見ているようだった。
「…………」
「ふふっ……僕が『いい雨だね』なんて言うと、まるで自分を褒めてるみたいだね。なんだか急に恥ずかしくなってきたよ」
照れくさそうに頬をかき、彼女はまた口元を緩める。
それから、『ちょっと席をはずすね』と言い残し、時雨は執務室を出て行った。
「…………」
何も言えなかった。
時雨の出て行った扉をしばらく見つめた後、思い出したかのように机の上の書類へと目を戻す。
「雨……か。あのときもそうだったな」
丁度、ひと月ほど前だったか。時雨がこの鎮守府にやって来た日。
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