5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/09/26(木) 01:04:47.21 ID:ZT2DrA0fo
その日もポツポツとした雨が一日降っていた。
『雨は、いつか止むさ』
彼女が言っていた言葉だ。
最初からどこか厭世的な子ではあった。
まだまだ幼い姿に似合わない、悟ったような態度が気になったものだ。
あのときの彼女の言葉がなにを意味しているのかなんて、考えたことはなかった。
「この雨も、いつかは止むんだよな」
ギシリ、と。静かな執務室に椅子の音が響く。
提督はさっきまで時雨のいた場所へ立つと、窓の外を、時雨の見ていた景色をその目におさめる。
この雨が『時雨』だとするならば、彼女の言葉は何を意味してるのだろう。
降りしきる雨を見つつ、提督はふぅと息を吐いた。
肺の中いっぱいに雨の匂いを取り込んだような気分だった。
「いい子だからな」
そんな事は提督自身が一番知っている。
109Res/47.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。