過去ログ - 【オリジナル】乙女合体ガチユリダー
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/10/02(水) 16:03:18.29 ID:+q9A2eqw0
P.A.U.R.本部
 気が付くと、交とはじめは薄暗い機械的な一室の地面に座り込んでいた。
 此処がどこかと考えるまでもなかったのは、吹き抜け構造のその空間の下に二つの戦闘機が見えたからだ。

琴主「リリーキャット…やっぱり、此処って」

愛糸「そう、P.A.U.R.の本部……」

 カッ!と、杖を突く音が聞こえる。
 振り向くと、先ほどまで話していた綾乃が良い笑顔で二人を迎えに来ていた。

綾乃「いらっしゃ〜いねぇ♪さっそくだけれど、お着替えの時間ねぇ♪」

琴主「…え?」


更衣室

琴主「そりゃあ、乗るとは決めちゃったけど……いきなりこんなのに着替える?」ウワァ

 ウラノスエンジンとの適合率を上げるための装備と聞かされた衣装を渡されたものの、その安間瑛なデザインに交はため息をつきながら脱ぎ始める。

愛糸「……何で、そう簡単に決められる?」スッスッ

琴主「え?」

 もう訓練で慣れているのか…黙々と指定の衣装に着替えているはじめは、はじめて交にまともに声をかけた。

愛糸「私は拾ってくれた師匠と燕糸会長に恩義がある…正純お嬢様にもだ。いくらお嬢様と仲良くなったといっても、そこまでする必要なんて本当はない…それとも、お前は本当に」

 初めがそう言いかけたところで、琴主は手のひらをはじめの口に当てて制止した。
 いうことは分かっている、『お嬢様が好きなのか』と聞きたいのだろう。

琴主「好きかどうかなんて、わかんないよ。ずっと気になることばっかりで時間なかったしね……あのメカがそうとるんだったそうかもしんないけど、やっぱり私自身にはちょっとわかんないや」

愛糸「…!! じゃあ何故!!」

 はにかみながら言う交、しかしはじめにはその言葉が余計に信用できなかった。

琴主「だって、心配なんだもの」

愛糸「……心配、だと?」

琴主「まつりもそうだけど、愛糸ちゃんもそうだよ…そんなに小さいのに、まつりのことをいつも心配してる。周りが見えなくなるくらい、そんなのまつりが一緒でも背負いきれるもんじゃないよ」

 交の言葉に、はじめは返す言葉を失った。
 実際、交を襲撃した時もまつりをとられた怒りで周りが見えなかった結果返り討ちにあってしまった。
 どんなに修業を積んでも…自分はその程度で、心配される側ではないのかという不安がはじめの脳裏をかけた。

愛糸「……っ、余計な御世話だ」

 体の小ささに勝つために、まつりを守るために八尾の厳しい教育を受けた。操縦訓練も頑張った。
 その自信だけはなくすわけにはいかない、そう心に打ち込みながらはじめはスーツのファスナーを上げた。


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