25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/04(金) 12:45:27.97 ID:C20G8sY80
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みく「(発見! よっしゃ、跳びかかってやるにゃ……)
つーかまーえた。みくの前を素通りなんて、そうは問屋がおろさないのにゃ」
「おお! 猫。飼いたいけど飼えないですね」
みく「このしっぽ、気になるかにゃ? だったら机の下へと御招待だにゃ」
「お邪魔しますです。狭くありませんですか?」
みく「気にしなーい気にしなーい。みくは半畳あれば生きてゆけるにゃ。
冬の猫はこたつで丸くなる。夏のみくは日の当たらない机の下で丸くなるのがお仕事にゃ」
「シェアハウス もしやお家賃がさらに安く!
これで助かりましたですね。しばらくこの国で暮らせますです」
前川みく 僕がレアメダルと交換して事務所へと迎え入れた初めてのアイドルだ。
とても甘える事の上手な少女だった。
みく『うみゅ〜、あったかい。Pチャン知ってる? みくは簡単になつかないのにゃ〜』
みくはステージ衣装へ着替えるたびに、寒い寒いと僕へとすり寄って来た。
そんなみくの剥き出しになった二の腕を、僕は彼女が飽きるまでさすってやったものだ。
みく『みくは夜行性だからお仕事で遅くなっても大丈夫にゃ♪』
彼女はどんな小さな仕事であっても、文句を言わずアイドル業へと真摯に打ち込んだ。
初めてのLIVEは片手で数えるほどしか観客のいないデパートの屋上であったが、腐ることなく最高のパフォーマンスを発揮してくれた。
みく『み、みくは時代よりちょっと早く生まれてしまっただけにゃ。
ねーねーPチャン。例えばだけど、みくが海に落ちたら助けてくれるかにゃ? ……なら気にせず楽しむにゃ♪ ふふーん♪』
売り飛ばされたアイドルの身分では躓いたら最後。二度と立ち上がれないと本能的に理解していたのだろう。
だから彼女が何としても生き残ろうとして、新たな飼い主である僕へ取り入るよう努めた事は責める気にはなれない。
僕だって仕事を得る為に、どれだけ自分を曲げて媚を売り続けた事か。
世の中にはどう折り合いをつけようとも、尽くすに値しない上司もいるというのにな……。
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