過去ログ - 勇者「パーティ組んで冒険とか今はしないのかあ」
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637:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/12(火) 22:25:03.75 ID:cFLa5SzBO










実験の失敗が生んだ勇者と魔王の出来損ない、そして、その過程で使われた魔物たちが暴走し、国は混乱期を迎えた。
そして、彼女は――魔物に襲われた。勇者の助けは、寸分で間に合わなかった。
私がかけつけたときには、彼女はすでに死にかけの状態だった。勇者が彼女の治癒にあたっていた。


『陛下! しっかりして……!
 勇者、なんとか……なんとかならないの!?』

『今治癒しているがダメだ……! 毒が酷すぎる……解毒しようとしているが、間に合わない……!』

『誰か……誰かっ!? 回復魔法を使える者は……!?』

『……無理だ。大半の魔法使いが異端審問局に捕まってる。そうじゃない連中もあちこちに駆り出されている……くそっ!』

『……私が彼女を助ける……』


私の能力の一つに、触れた対象の器官や一部を取り込む、というものがあった。実験の副産物的なものだった。
対象相手がある程度弱ってさえいれば、この能力は行使できる。彼女の傷口に触れた。
深呼吸をする。毒だけを抜き取る必要がある。失敗は許されなかった。口の中の水分はなぜか干上がっていた。
まるでなにかを恐れているかのように。恐怖に硬直した私の腕を、ふと誰かの手が握った。



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