33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/28(月) 21:15:27.63 ID:9c78MiE40
「ハハハハッ、この世の神様というやつは、どうしようもなく狂ってしまっているようだな、ハハハッ!」
「貴方も、そうは思わないか?」
「あなたたちは、あなたたち以外に神を持たない。しかし、あなたたちは神のように強くはない」
「なるほどな、それは貴方の考えか?」
「いいや、そんな大層なものじゃない。人間は弱いからこそ、それを隠し、自分を導いてくれるような絶対的なものが必要なんだ。君をここまで導いたものが彼だったように………必然でなければならない救いが」
「そう………だな」
「けれど、それはまるでつかいものにならなくなった神の代わりを探し回っているようなものだ。国家や思想、イデオロギーも法も、正義に悪、主義と主張、個人の価値観に至るまで。人間の生みだすもの全ては結局のところは、神のような全知全能の模倣にしか過ぎないのだ」
「ふざけるな!貴方や彼女、彼等や私、彼の感情、心、決意、覚悟、思い。その全てを神の模造の出来損ないとは言わせない。ましてやこの世界に神などいない。いや、狂った神でもまともな神であろうとなかろうと、存在していていても何も救えず、何も出来ぬ役立たずの神なら尚更いらない」
「それは残念だ。神は確かに存在している」
「どうしてだ?どうして、そう言いきれる?」
「遠い昔、人間と神々は助け合っていた。だが聖書とコーランは神をひとりぼっちへと追いやった。神格化されて、崇められ、崇拝され、誰も神に近づかなくなってしまったのだ。だから神は、気が狂ってしまったのさ、まるで人間のように、だ。たったひとりぼっちで、完全な存在にならねばならなくなったからだ」
「そして、今では誰も神の言うことに耳を貸そうともしなくなった」
「そうだ。だがそれでも、人は何かを信じて生きるべきだ」
「何も信じない、そう言ってしまわねばならないこともあるのだろう。けれど神は、気が狂いながらも私達を愛しているんだと私は思う。例え悲劇的な運命を幾度となく用意していようともな」
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