過去ログ - 先輩のお仕事
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 11:08:13.34 ID:QoLnjcgso
小さな物音に気付いて、ボクは目を覚ました
まだ夜明けまで少し時間があるのか、ほとんど闇と言える部屋の中で動く影
それが誰なのかをボクは知っている

おかえりなさい、先輩

「……」

先輩から返事はない
でもそれが先輩の当たり前なのだと、ボクは分かっているので
棚から取り出した包帯を解きながら、先輩の傍へ擦り寄る
先輩の小さな息遣いが、ボクの耳に届く

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 11:10:10.35 ID:QoLnjcgso
前回に巻いた包帯は、もはや意味をなすものではなくなっており
ボクはそれを丁寧に取り換える
その間先輩は黙ったまま
だけどボクは知っている
その目がちゃんと、ボクの方を見てくれていることを
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 11:12:29.66 ID:QoLnjcgso
世界の終末なんて、訪れるのは一瞬で
誰か一人でも壊れてしまえば、いとも簡単に崩れるようなバランスで成り立っていたのだと
あの頃のボクは思ってもみなくて
みるみるうちに人が減って
友達だった人は友達じゃなくなって
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 11:15:09.59 ID:QoLnjcgso
どうして先輩がボクの傍にいてくれたのか
最初の頃は分からなかった
ボクから見ればただの先輩だったその人は
孤独なボクの手を少し強引に引いて
ボクに世界をくれた


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 11:16:50.37 ID:QoLnjcgso
実のところ、ボクはもうすでに先輩がなぜボクといてくれるのか
確信はないけれど予想が付いている
でもあえて、気付かないふり
なんだか、口に出してしまうのは怖い気がして
先輩もなんだか、怖がっているような気がして
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 11:19:24.23 ID:QoLnjcgso
……先輩?

「……」

先輩からの反応がなくなると
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 11:41:17.44 ID:QoLnjcgso
再び目が覚めた時
そこにさっきまでいたはずの温もりは無く
いや、それがさっきなのかすらも分からなかった
日差しの届かぬ位置にあるこの場所でも明るさを少し感じられる所を見ると
先輩はまた、お仕事に行ったのだろう
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/15(火) 12:14:38.22 ID:QoLnjcgso
気が向いたら書きます

よかったら見てってね


9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 21:07:29.19 ID:QoLnjcgso
ボクはまた物音に目が覚めた
目を擦りながら辺りを見るが、一面闇だ
いつもと違うのは、そこにいるはずの気配がない
ぎゅっと身が縮むのを感じる
先輩以外の人の気配なんて、一体いつぶりだろうか
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 21:12:17.05 ID:QoLnjcgso
「あーあー、その物騒なもんをしまってくれ。俺が悪かったよ」

「……」

……
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 21:17:10.17 ID:QoLnjcgso
「……俺、もしかしてお邪魔虫?」

「……」

「睨まなくてもいいだろ、まったくよぅ……それじゃあな」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 21:59:50.91 ID:QoLnjcgso
その日の先輩は、いつものように無言だったけれど
ボクを膝の上に乗せて、ずっと手を握ってくれていた

「……」

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 22:07:18.00 ID:QoLnjcgso
夢の中のボクは、あの日にいた
なぜ夢だと分かるのかと言うと、あの日はもう過ぎた日だから
だからなぜあの日のボクが泣いていたのかも思い出せないし
別に無理して思い出そうとも思えなかった

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/15(火) 22:19:01.14 ID:QoLnjcgso
誰かの声で、目を覚ます
何故だか頭が痛い、ボクは頭を揺らしながら体を起こす
侵入者のように、部屋の中に誰かがいる様子はない
ボクはドアの方へと這いより、耳を澄ます

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/15(火) 22:33:31.62 ID:QoLnjcgso
また書きにきます


16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/10/15(火) 23:43:34.03 ID:BFlS225UO
見づらい


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/17(木) 22:59:19.93 ID:9hEqNb6po
起きたら、先輩はいなかった
だけど先輩が帰ってきたことは、台所のコーヒーから分かる
不貞寝などして、先輩との時間を減らしてしまったことに自己嫌悪しながら
ボクはコーヒーを片付けようとして
手を滑らせた
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/17(木) 23:07:53.31 ID:9hEqNb6po
息が苦しい
ボクの目が無理矢理開かされた
何かに伸し掛かられている
暗闇のせいで誰かは分からないけれど
とにかく先輩でない事だけは分かる
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/17(木) 23:49:42.55 ID:9hEqNb6po
気付くとボクは、海の中にいた
目の前に立つ先輩は、きっと心配そうな表情をしているのだろう
何が起きたのかよく分からなかったけれど
とりあえずボクは先輩の胸の中で泣いた
苦しさも、気持ち悪さも全部、先輩に向けて泣いた
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/18(金) 00:20:27.19 ID:rMuEI7RUo
……ん

目を覚ますと、そこはいつも通りの部屋の中
いつもと違うのは、隣に感じる気配

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/18(金) 22:22:11.60 ID:rMuEI7RUo
先輩が一緒にいてくれたら、あれをしようとかこれをしようとか
ボクの中でいろいろと考えていたはずなのに
隣にいてくれるだけで満足で、ボクはまったりとしてしまう
先輩は先輩でそんなボクの隣に何も言わずに座っている

以下略



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