過去ログ - ガリアの空の下【ストライクウィッチーズ】
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/21(月) 01:11:45.41 ID:bFC+eytVo
リーネさんは、目を逸らしたまま一言もしゃべりません。

わたくしは、二の句が継げずにいました。

手渡したお金は、すべて復興財団にまわしてもらうようにお願いしたのに。
リーネさんが、どうして…どうしてこんな隠し事を。
裏切られたような、信じたいような、わけのわからない気持ちで。
胸に渦巻くこの感情は、怒りなのか、悲しみなのか、それすら。

――そのままずっと立っていたら、きっと目眩を起こして倒れていたと思います。

「ごめんなさい」

リーネさんは、言いました。

「こんな事を隠してたらダメだって、だからいつかは言わないといけないってわかってて…
 でも、いうタイミングがわからなくって、わたし…」

そして、わたくしはようやく気づきました。
リーネさんが、ぼたぼたとだらしなくも涙を流していることに。

……リーネさんが、悪意でわたくしに隠し事をするはずがない。

少なくとも、わたくしはそう信じています。

震える、リーネさんの手を握る。

リーネさんの瞳が、わたしの瞳と重なる。

リーネさんの唇が、わずかにわなないて、しかしすぐに落ち着きを取り戻したように、言葉を紡ぎ始めました。


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