14: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:45:38.76 ID:L6Vy60Ovo
負けを認めたアレイスターが、投了の証として王の駒を倒す。
「どうやら、私はチェルス競技者にはなれないな」
少年は肯定も否定も出来ず、曖昧にアレイスターの言葉を流した。
「現代の棋士の多くは、演算能力を高めた咒式です。当たり前のように記録されたあらゆる手筋を記憶し、手筋を読みます。
むしろ、演算能力を拡大する訓練を受けたことのない猊下の打ち筋が、あれほど読み辛かったことに感嘆します」
「何故だと思うね」
アレイスターの問いかけに、少年はしばし考え込んだが、やがて首を横に振った。
「では、それは次に会うときまでの宿題としておこう」
次。アレイスターの告げたその言葉に、少年の目にわずかに光が灯る。
枢機卿という天上人に等しい男と、再び会えるという、隠しきれない喜びだった。
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