46: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/27(日) 21:46:15.03 ID:xnyh+LjWo
室内を眺めていると、鉄格子に小窓があり、その内側に食事が差し入れられているのを見つけた。
現金なもので、食事を認識した瞬間、体が空腹を訴え始める。
(……食事に毒が盛られている可能性、は薄いな。目が覚める前にいくらでも殺せたはずだ。
有り得るとすりゃあ自白剤の類だが……警戒してても仕方がねェな)
ここから出られない以上、いつか食事に手を付けざるを得ない。
ならば、下手に警戒して断食するよりも、食べて体力を温存した方がマシだろう。
黒パンと、薄い塩のスープ。
見ただけで、ウルムンという国の窮状が分かる粗末さだ。
スープに浸してなお硬い黒パンに悪戦苦闘しながら、時間をかけて胃に収めていく。
食事を終えた後は、泥のような退屈が少年を襲った。
94Res/49.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。