過去ログ - 許嫁「私、昨日、彼とセックスしました」
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2013/10/25(金) 08:48:27.74 ID:xjhVtzry0
授業中以外は誰とも滅多に話さず、授業が終わればさっさと家に帰る。
僕のひそやかな学校生活が何ら変わらず維持されたのは僥倖であったろう。
なぜなら、大人はやはり考えることが違う、なんと彼らは、許嫁を無理強いした彼女を我が家に頻繁に来訪させたからである。
僕とは違って彼女には引き留めようとする人が多いから、一緒に帰るような事態は図らずも回避された。
それは彼女の社会的地位を貶めないために役に立ったが、放課後、わざわざ帰路を同じくせず僕の家に来るとなると面倒なことになる。
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2013/10/25(金) 08:48:56.41 ID:xjhVtzry0
家での生活も、大した変化はなかった。
放課後、彼女が家に寄るといっても、僕に彼女をもてなしたりなどできないのだから。
僕は専ら読書するか、勉強するか、昼寝するかしていたし、彼女もなにか暇をつぶすものを用意するよう申し渡していた。
彼女が何をするかは努めて関知しないようにした。窮屈な思いをさせることもあるまい。
最初こそ、
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2013/10/25(金) 08:49:22.89 ID:xjhVtzry0
ただ、彼女が僕の家に寄っていることが明るみになり、僕が吊るしあげられた日だけは別だった。
彼女は自分のせいで僕の立場が悪くなったと自分を責めているようだったので、気にする必要はないと言っておいた。
それで話が終わりだと思っていたら、その途端、彼女は眉を立てて詰問するような口調で問うてきた。
「どうして本当のことを言わなかったんですか」
何故怒っているのか皆目見当がつかなかったので、嘘はついてない、と答えて様子を見る。
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2013/10/25(金) 08:49:52.26 ID:xjhVtzry0
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中学生に上がると、親からのプレッシャーが次第に強くなっていった。
つまるところ、お家の安定のために、子弟間の横のつながりを作っておけということらしかった。
他者との関係をなるたけ希薄にしようとする性分が邪魔をしたが、僕が逃げれば、そのしわ寄せが彼女に向かう。
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2013/10/25(金) 08:50:21.72 ID:xjhVtzry0
たまたま参加した集まりでの事だった。
集まりの中でも中心的な男の行きつけのホテルの店らしいが、どこか店内は薄暗い。
そこでは未成年にもかかわらず、アルコール類が供されているようだった。
僕は固辞したし、彼女にも飲ませなかったが、皆はまるで気にせずに飲む。
参加するべきではなかったな、と帰る算段を考えていると、隣りにどっかと誰かが座った。
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2013/10/25(金) 08:50:53.22 ID:xjhVtzry0
「そういえばさぁ、俺、ずっとお前の横に立ってた女の子、ああ、今も座ってんな、気になってたんだよね」
「お前の彼女かぁ? いやいやぁ、お前にゃもったいねぇだろ。ギャハハ」
「俺にちょっと貸せよ。いいだろ?」
「貸すって、そりゃそのままの意味だよ。もしかすると寝取っちゃうかもだけどぉ、そんときゃ勘弁な!」
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2013/10/25(金) 08:51:27.52 ID:xjhVtzry0
ホテルから通りに出る。
外の冷たい風が肌を差して、自分が彼女の手を掴んでしまっているのを思い出した。
慌てて手を離す。
失敗したな、と思った。
僕が不快に思ったからといって、彼女も不快に思ったとは限らない。
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2013/10/25(金) 08:51:58.81 ID:xjhVtzry0
それ以来僕は、できる限り彼女の行動を制限しないように取り計らうことを心に決めた。
思えば、例の席で酒を飲ませなかったのも余計な世話だったかもしれなかった。
二度と同じ轍を踏んではならない。
彼女の望まぬ婚姻の片棒を担いだ、これは僕の義務だった。
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2013/10/25(金) 08:53:04.87 ID:xjhVtzry0
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「今日、告白されました。……引き受けようと、思います」
彼女がそう言ったのは、僕と彼女が高校生になって、しばらく経った日のことだった。
家庭教師や日々の弛まぬ勉学のおかげか、僕はなんとか兄たちの通っていた高校に滑り込むことができた。よく勉強のできた彼女については言わずもがなである。
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2013/10/25(金) 08:53:44.25 ID:xjhVtzry0
実際、彼女はよくモテる。異性から愛の告白を受けるのはしょっちゅうだった。
しかし、彼女がそれを受けたことは一度もないようだった。
あるいは、僕に対して気兼ねしているのだろうか。
彼女が僕と同じ小学校に通い出してすぐ、相談を受けたことがあった。
「同じクラスの男の子に告白されてしまいました。どうすればいいですか?」
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