過去ログ - 許嫁「私、昨日、彼とセックスしました」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:54:24.32 ID:xjhVtzry0
それでも告白を引き受けようとしなかった彼女に、やっと恋人ができるというのである。
それはきっと、とても良いことのはずだった。
人並みの幸せはともかく、僕という負債を抱えてなお、トータルではプラスになってくれればいい。
そう願って、僕は彼女を祝福した。
しかし彼女は、どこか傷ついたような、苦々しげな顔で、そうですか、と言った。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:55:07.91 ID:xjhVtzry0
それから一週間後、彼女は恋人とキスしたことを告げ、さらにそのひと月後、冒頭のごとく、恋人と性交に及んだと言ってよこしたのである。
キスはよいが、ことが性交渉となると、はいそうですか、では収められまい。
僕には、彼女に対して一つだけ、注意をしておかなければなければならないことがあった。
僕は、避妊をしたかを聞いた。
彼女はひどく戸惑っていたが、それは僕に対して赤裸々に語りたい類いのことではないからだろう。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:55:35.39 ID:xjhVtzry0
と最後に、なぜかブルブルと震える彼女に確認した。なにか葛藤があるのだろう、と見守っていると、彼女がやにわに近寄ってきた。
思わず一歩下がろうとしたが、時すでに遅し。

思いっきり殴られた。


23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:56:26.12 ID:xjhVtzry0
4.5

私が彼に出会ったのは、十歳の夏の夜のことだった。
それ以来、私は彼に対して、なんだこの人は、と思い続け、ずっとずっと思い続けて、

以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:57:07.63 ID:xjhVtzry0
5

今の私を支配しているのは怒りだった。それが彼に対するものなのか、自分に対するものなのかも分からず、感情のままに怒鳴る。
「なんで、どうしてあなたはいつもそうなんですか! 私が、私が今まで、どんな気持ちでっ……!」
「ちょ、ちょっと……落ち着いて……」
以下略



25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:57:33.72 ID:xjhVtzry0
第一印象は最悪だった。突然、許嫁として紹介された相手に、自由恋愛宣言をする人がどこにいるだろうか。そして、そんな男の人を信用する人も。
当然私も人間性を疑ったわけだが、すぐに自分の間違いを悟った。
彼は女の子を弄ぶどころか、そもそも友達らしい友達すらいかったのである。結局、恋人を作るような素振りを全く見せないまま、今日に至っている。
ならば彼の言葉の真意はどこにあるのか。
私が告白されたと言えば、まるで勧めるようなことを言い、かと思えば、私と彼の関係が邪推された時は(邪推も何もないのだが)、自分を悪者にして私を庇ってくれた。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:58:08.52 ID:xjhVtzry0
そうこうしているうちに、気付けばもう高校生になっていた。今年、私は法律上、結婚できる年齢になる。
いい機会だと思った。
私は、彼の気持ちがどこにあるのか、確かめることにした。
ただし、正面から聞いたところで埒が明かないだろうから、強硬手段を取ることにした。
つまり、実際に恋人ができた、という嘘をでっち上げたのである。これで、彼が私をどう思っているのかが判明するだろう。
以下略



27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:58:38.38 ID:xjhVtzry0
7

襟首ごと拳を握りしめて、呟くようにひとりごちる。
「こんな、嘘までついたのに……どうせ、あなたは私のことなんて……」
「え?」
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:59:08.47 ID:xjhVtzry0
思わず唖然としてしまう。
私の6年間の苦悩は一体なんだったのだろう。
呆然と立ち尽くしていると、彼がおずおずと、声をかけてきた。
「大丈夫? なにかマズいこととか、気に障るようなこと言った?」
その心配そうな顔を見て、一気に感情のボルテージが上がった。
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:59:41.49 ID:xjhVtzry0
「聞いてください。言いたいことがあります」
「……なに?」
「私を好きになってください。私もあなたを好きになります」
「……ごめん、よく聞こえなかったんだけど」
「ならもう一度言います。私を好きになってください。私もあなたを好きになります。私を愛してください。私もあなたを愛します。もう一度言った方がいいですか?」
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 09:00:14.78 ID:xjhVtzry0
彼のさらりと言った言葉が、頭の中を反響する。
その意味を正しく理解して、沸き起こる衝動のままに、彼をベッドに押し倒した。
「だったら、もっと早く言ってくれれば……!」
「うん。えらく遠回りさせちゃったな。だから、恋人とかが嘘だって知って、実はほっとしてる」
「……もういいです。浮気、しないでくださいね」
以下略



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