過去ログ - 許嫁「私、昨日、彼とセックスしました」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/25(金) 08:41:56.73 ID:xjhVtzry0
注意:長いです。エロ無し。




以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/25(金) 08:42:39.92 ID:xjhVtzry0
そういう次第で、僕はまさに愚か者の誹りを免れない有り様だったのだが、相手たる彼女は様相が大きく異なっていた。
まあ、当然のことである。
当時、彼女の父親は経営上の難所に直面しており、その打開策として、あろうことか娘を最大の取引先に売り払ったのだから。
そんな事情があるとは露とも知らぬ僕は、初顔合わせの場で表情をこわばらせる彼女を、愚かにも不思議に思ったものである。
彼女は目鼻立ちのくっきりとした美しい容貌をしていたが、面を伏せ、ひたすらに口をつぐんでいた。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/25(金) 08:43:24.83 ID:xjhVtzry0
困ったのは僕である。
明らかに照れではない理由で黙ったままの同年代の少女を前に、一体何をどうしろというのか。
うつむく彼女をよそに、僕はない知恵を絞ることにした。
もしかすると、自分はともかく、目の前の女の子はこんな押し付けられた縁談は不服なのかもしれない。
確かに、恋愛感情など微塵も抱いていない相手との婚姻など、絶望以外の何物でもないことは容易に察せられた。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/25(金) 08:45:17.81 ID:xjhVtzry0
この事実はいかんともし難いとしても、ならばどうするのか。
僕が上等な服を着られて、上等な食事にありつけて、上等な家に住めるのは、全てこの家に生まれたからである。
この縁談を破棄したければ、それをかなぐり捨てる覚悟が必要で、それが余りに惜しいことだというのは、子供の浅知恵でもわかった。
さらに考える。
しばらく考えて、ここは父母の範に則るのが最善であると結論した。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/25(金) 08:45:49.85 ID:xjhVtzry0
――きみも大変だね、こんなことになって。
無言は想定内なので、気にせず続ける。
――悪いけど、ぼくもこの家の世話を受ける身で、それをなくしたくないから、この話をなかったことにするつもりはないよ。それに、破談にしたら、いろんな人に迷惑がかかるんだろうし。
――でも、心配しないでほしい。
その時初めて、彼女は顔を上げて僕を見た。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:46:16.89 ID:xjhVtzry0
そう言うと、彼女は何故か信じられないものを見るような目で僕を見た。
むしろ感謝されるものと思っていたので面食らったが、感謝されることは目的にはない。
あるいは僕がふしだらな人間だと嫌悪感を抱いたのかもしれないと思い至ったが、それならそれで別に構わなかった。
特に何が変わるわけでもないのだから。
これが、僕と彼女のファーストコンタクトだった。


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:47:00.75 ID:xjhVtzry0
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それからしばらくして、彼女が僕の通う小学校に転入してきた。
間違いなく親連中の差金であろう。
その手の早さは見習わなければならないのかもしれないが、わざわざクラスを同じにする必要もあるまいに、いらぬ横車を押してくれたものである。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:47:32.18 ID:xjhVtzry0
彼女はそんな僕とは全く対照的だった。
転入直後から彼女の周りには人が絶えず、女子は彼女を自分のグループに誘い込もうと躍起になり、男子はなんとかして彼女の歓心を買おうと必死だった。
なるほど、人が集まるとはどういうことか、その実例がそこにあった。
我が親愛なる優秀な兄たちならこの光景を我がものとしていて、今もそうあるのだろうが、あいにく僕にそんなものは与えられなかった。
自分にないものを、彼女たちは持っている。生まれ住み、見ている世界が違う。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/25(金) 08:48:27.74 ID:xjhVtzry0
授業中以外は誰とも滅多に話さず、授業が終わればさっさと家に帰る。
僕のひそやかな学校生活が何ら変わらず維持されたのは僥倖であったろう。
なぜなら、大人はやはり考えることが違う、なんと彼らは、許嫁を無理強いした彼女を我が家に頻繁に来訪させたからである。
僕とは違って彼女には引き留めようとする人が多いから、一緒に帰るような事態は図らずも回避された。
それは彼女の社会的地位を貶めないために役に立ったが、放課後、わざわざ帰路を同じくせず僕の家に来るとなると面倒なことになる。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:48:56.41 ID:xjhVtzry0
家での生活も、大した変化はなかった。
放課後、彼女が家に寄るといっても、僕に彼女をもてなしたりなどできないのだから。
僕は専ら読書するか、勉強するか、昼寝するかしていたし、彼女もなにか暇をつぶすものを用意するよう申し渡していた。
彼女が何をするかは努めて関知しないようにした。窮屈な思いをさせることもあるまい。
最初こそ、
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/10/25(金) 08:49:22.89 ID:xjhVtzry0
ただ、彼女が僕の家に寄っていることが明るみになり、僕が吊るしあげられた日だけは別だった。
彼女は自分のせいで僕の立場が悪くなったと自分を責めているようだったので、気にする必要はないと言っておいた。
それで話が終わりだと思っていたら、その途端、彼女は眉を立てて詰問するような口調で問うてきた。
「どうして本当のことを言わなかったんですか」
何故怒っているのか皆目見当がつかなかったので、嘘はついてない、と答えて様子を見る。
以下略



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