過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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219: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/02(月) 22:20:46.62 ID:WtfI3Ree0

そうしてやって来た聖夜は、いつもと変わりないものだった。
ご馳走の大概はトールが食べ、ケーキの大半はフィアンマが平らげた。
話をして、入浴して、身支度をして、眠る準備をして。
一日の流れは変わらずにどこまでも平凡で、どちらかというと怠惰なものだった。

「プレゼント、一応悩み悩み選びはしたが…お前の趣味に合うかどうかはわかんねえ」

言いつつ、トールは箱を手渡した。
小さな箱だ、と首を傾げ、フィアンマはそっと受け取る。

「…俺様からはこれだ。役には立つが、お前の求めるようなものではない」

かわりばんこ、彼女は十字架を差し出す。
首にかけられるよう紐がついたものだ。

「首にかける必要はない。懐にでも入れておけばいい」
「霊装? …だよな。…わざわざ作ったのか?」
「俺様は『神の右席』だぞ? 霊装の一つや二つ作れなくては困る。
 効果は…言わなくても、お前程の知識があれば理解出来るだろう」

小さく笑って。
ちいさな声で、『開けても良いか』と尋ねる。
勿論だと頷いて、トールはロザリオをそっと懐へしまいこんだ。
彼女の祈りが、その十字架に精一杯詰まっていることを感じながら。


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