過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2014/01/19(日) 23:27:42.18 ID:Oze1huzB0
やや古びたホテルの者に多額の金を渡せば、一番良い部屋を用意してくれた。
あれで一ヶ月は宿泊出来るだろう。何をしても嫌がられないはずだ。
トールの身体を、ベッドへ寝かせる。
全てを回復させる術式は扱えない。
右腕がない以上、奇跡を借りることはそんなに出来ない。
無力感に打ちひしがれないように、必死で自分を鼓舞する。
失った生命力を元に戻すイメージをして、天使の力を使う。
呼吸だけは、楽になった。
露出している骨も、足の中へ戻す。
時間はかかるが、ここでじっとしていれば一ヶ月以内に全快するはずだ。
「………」
術式の設定を終え。
フィアンマは、トールの傍に膝をついた。
いつかの、倒れた彼を看病した時に似ていた。
ただ、その時よりも今の方が、ずっとくるしい。
「とー、る」
ぽた。
ぱた、ぽたぽた。
涙と呼ばれるものが、あふれて、ベッドに落ちる。
彼の衣服や、顔をも濡らした。
もう、我慢出来なかった。
ずっとずっと辛抱してきたものを、抑えることなんて出来なかった。
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