過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
1- 20
459: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/19(日) 23:27:42.18 ID:Oze1huzB0

やや古びたホテルの者に多額の金を渡せば、一番良い部屋を用意してくれた。
あれで一ヶ月は宿泊出来るだろう。何をしても嫌がられないはずだ。

トールの身体を、ベッドへ寝かせる。

全てを回復させる術式は扱えない。
右腕がない以上、奇跡を借りることはそんなに出来ない。
無力感に打ちひしがれないように、必死で自分を鼓舞する。
失った生命力を元に戻すイメージをして、天使の力を使う。

呼吸だけは、楽になった。

露出している骨も、足の中へ戻す。
時間はかかるが、ここでじっとしていれば一ヶ月以内に全快するはずだ。

「………」

術式の設定を終え。
フィアンマは、トールの傍に膝をついた。
いつかの、倒れた彼を看病した時に似ていた。
ただ、その時よりも今の方が、ずっとくるしい。

「とー、る」

ぽた。

ぱた、ぽたぽた。

涙と呼ばれるものが、あふれて、ベッドに落ちる。
彼の衣服や、顔をも濡らした。

もう、我慢出来なかった。

ずっとずっと辛抱してきたものを、抑えることなんて出来なかった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/658.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice