過去ログ - フィアンマ「助けてくれると嬉しいのだが」トール「あん?」
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474: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/01/20(月) 22:47:08.04 ID:qV96IREh0

十字架を背負って、ゆっくりと下る。
この先の場所が、自分の墓場だろうと思いながら。

「………」

『神の子』も、こんな気持ちだったのだろうか。
全人類の罪を着せられて殺される気分というものは。

「………」

十字架を、地面に突き立てる。
石に天使の力を込めて昇華させた、特殊なものだ。
聖霊十式程ではないが、教会の歴史あるものを使用した。
対応するそれは聖ピエトロの術式を組み替えたもので、自分にしか扱えない。

自分の死をもって。

世界を、大規模魔術による干渉から救う術式。
世界の全てをねじ曲げようとする魔神にしか効果はない。
元となった『使徒十字』とはまったく真逆の性質のものだ。
魔神が完成する前に、自分は死ななければならない。

「……」

そして、この術式には一つ、小細工が施してある。
それは、悪意や敵意といったものを自分へ集めるというものだ。
死して尚、自分は悪の象徴として祀り上げられるだろう。
それは、オティヌスの罪が消えるということも意味する。

敵意を向けさせる。

これは『天罰術式』の研究過程で得られた数値を流用したもの。
まだ記憶を消す前のヴェントが、自分へ教えてくれたこと。

「魔神オティヌスを止めるのは、俺様でなくてはならない」

ただ、幸せに暮らしていた少女の家族を。
結果的に、見殺しという形で殺害した自分の、けじめのために。


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