過去ログ - 替えの利く替えの利かない話
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:42:02.11 ID:3/OSs1/3o



「もうほぼダメですね。全身に転移してしまっています。
 『交換』してしまったほうが早いでしょう」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:42:38.01 ID:3/OSs1/3o



「これをご覧ください。このマークが癌です。
 そしてこのマークがついた位置、これら全てが癌ということです」
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:43:12.49 ID:3/OSs1/3o



「どうしてこんな状態まで放っておいたんですか?
 ……まあ自分で気づけというのも幾分か酷な話ではあるのかもしれませんが」
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:43:55.13 ID:3/OSs1/3o


そんな医師の説明を聞いてもやはり僕は上の空だった。
まるでドラマのワンシーンでも見ているかのようだった。
自分のことではない、他人のことを聞いているかのように。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:44:23.46 ID:3/OSs1/3o


『交換』か……
そうだよな。交換すればいいんだ。
そうすれば今まで通り、また普通に生活ができるんだ。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:45:05.18 ID:3/OSs1/3o


後日、私は一枚の契約書の前でやはり動けないでいた。
それは『交換』を承認するための書類。
あくまで必要な手続きの一つ。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:45:33.79 ID:3/OSs1/3o

しかしいくら言い聞かせても自分の頭の中でずっと支配し続けていることがある。


『テセウスの船』
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:46:20.12 ID:3/OSs1/3o

まさに僕は今これと同じような状況なのではなかろうか。
別に全部の部品を、臓器を置き換えるわけではない。
何も問題のない臓器はそのまま続けて使えるわけだし、
僕という存在自体は何も揺るがないはずだ。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:46:50.65 ID:3/OSs1/3o



僕はもっと生きたい。
僕は僕でありたい。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:47:40.08 ID:3/OSs1/3o


次の日も契約書と向き合うが、そこから先に進まない。
サインするだけだと理解はしているが行動には移らない。
とりあえずは会社に事情を説明し、長期の休暇を取る。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/10/30(水) 20:48:11.45 ID:3/OSs1/3o


上司の優しさに感謝しつつ、実家に電話をかける。
事情を簡単に説明するとお袋が

以下略



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