過去ログ - 【R-18】舞園「苗木君の鶴が私のナカにッ!」苗木(この舞園さんは嫌だ)【18禁】
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22: ◆viiWRiLRjFiX[sage saga]
2013/11/03(日) 22:01:31.47 ID:R00ldDfL0
舞園さんが頭を抱えて泣き叫び始める。

DVDを見た直後のように、桑田君から必死に逃げてきたときのように、
アイドルでなくなったときのように、舞園さんは半狂乱で叫んだ。

子どもがぐずるように髪の毛を振り乱している。
そして目を血走らせて……ボクへと詰め寄った。

「なんでなんでなんでなんでッッ!!……どうして……どうして!? 私に思い出させるの!?
 苗木君が私の味方で、私も苗木君の助手で……他に何もないなら……それで全て丸く収まるのに……!
 私に思い出させて何が楽しいんですか!? アイドルじゃない私にはもう苗木君しかいないのに……!!」

 舞園さんは逆にボクを押し倒し、のしかかるようにして叫び続ける。

「苗木君だって……アイドルになろうと苗木君を騙す私より、苗木君のことだけ見てくれる助手の方がいいでしょう!?」

「それは違うよ……」

「違うって何が違うんですか!?」

「ボクはアイドルだった舞園さんが好きだったんだ」

「アイドルじゃない私に価値がないってことですか!?」

ボクの首筋に舞園さんの手がかかる。
言葉を間違えれば、ボクは死ぬかもしれない。
だけど、ボクも引くわけには行かない。

「そんなことないよ……だけど、ボクは舞園さんの笑顔が好きだったんだ。
 舞園さんの見てるだけで元気になる不思議な笑顔が好きだった。
 色々な努力のを積み上げて、苦労して、それでも誰かに夢を与えたいって……
 そんな前向きさを感じるすごい笑顔をずっと見ていたかった」

「………………」

「夢を語っていた舞園さんを見て、助けなきゃって思った」

「………………」

「その苦労を少しだけでも背負えたらいいなって……そう思ったんだ」

舞園さんはボクの言葉をジッと聞いていてくれた。
そして、舞園さんはその上でこう呟いた。
その声はドロリとした響きを持っていた。

「ねぇ、苗木君…………」

「何……舞園さん……?」

「私、苗木君の前向きなところ好きですよ」

「……ありがとう」

「だけど……すごい羨ましくて、すご……妬ましくなることがあります。知ってますか?」

「……うん」

「恋人としての私はそこがすごい愛しくて、助手としての私はそこを尊敬してて、アイドルの残骸である私は……」

「………………」

「すっごい……憎いんです」

「みたいんだね……前も聞いたよ」

「前はアイドルである私も苗木君の前向きさを真似したいって思ってたんですよ。
 だけど……みんなが死んだって聞かされて、人を殺そうとしたことを暴露されて……
 もうどうしようもない現実を知ってしまったら……前向きでいられるはずないじゃないですか?」

「それでも……ボクは舞園さんを外に出してあげたいんだ。だって……」

「こんな場所で生き続けるなんて、生きてるって言えませんか?」

「………………」

「私、エスパーですから、苗木君の言おうとしていることくらい分かります」

舞園さんは光のない瞳をボクへと近づけた。

「気持ち悪いです、苗木君……。苗木君のその希望に溢れた前向きさが……すごい気持ち悪い」


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