11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/11/11(月) 00:34:08.34 ID:3fMmVyzW0
私は佐藤の顔は見ずに、袖を引っ張ったまま、とにかく構内のトイレに猛ダッシュした。
鏡には化粧直しやら、歯磨きをしている女性が並んでいて、しょうがなく個室へと二人で入る。
互いに息を切らせて、壁にもたれ掛かった。
「大丈夫っ……だった?」
私は、漸く佐藤の方を見る。
「…っ……っ」
右手で胸を押さえながら、佐藤は首を横に振った。
大丈夫じゃないらしい。
「まあ、満員電車だと……可愛い子は狙われるって言うし」
何のフォローにもなってないな。
「っ……ンっ……」
佐藤がやっと顔を上げる。
顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
唇を固く結んで、泣くのを我慢しているようだった。
それから、壁からずり落ちるように地面にしゃがみ込む。
チカンにあった女の子の対処なんてわからないし、知りたくもないけど、とにかく佐藤は何かに耐えるように震えていた。
「わ、私何か飲み物を買って」
雰囲気に耐え切れず、私は温まるものでも買いにいこうとドアに手をかける。
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