8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/11(月) 01:04:26.84 ID:Bw6Z329mo
◇
そんなわけで、俺はひそかに盗み聞きしていたバスケ部のやり取りに対して、頭の中で「佐々木が一番に決まってるだろ」と答えていた。
そんなことを実際に口に出せば、彼らは、
「でもあいつ性格悪いぜ?」だとか、
「これだから女慣れしてない奴は」だとか、
「顔に騙されるなあ」だとか。
得意げな顔で言ってくるに違いない。
でも、それはあまり不愉快な想像ではなかった。
あいつらの中で俺と同じくらい佐々木と話したことのある奴はまずいないはずだ。
そうである以上、俺が佐々木のことをいちばん知っていると考えていい(と思う。佐々木が嘘をついていないかぎり)。
佐々木のことを知らない奴が知ったかぶりで何を言ったとしても、俺のささやかな優越感を増長させこそすれ、傷つけたりはしない。
でも、そんな話を誰かがしていると知れば、佐々木自身はひどく傷つくだろう。
だから俺はあえて口を閉ざし、佐々木がいかに可愛いかを語らずにおいた。
それに、奴らに佐々木の可愛さを教えるのは惜しいという気持ちも、本当はある。
要するに俺は佐々木の起き上がりこぶしであることをステータス化していたのだ。
なにせ佐々木は可愛かったし、俺は佐々木のことが好きだった。
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