過去ログ - 【艦これ】五十鈴の調子が悪いようです【SS】
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2013/11/11(月) 21:33:43.53 ID:foU1KJOC0
銃声が鳴り響いた茶屋の二階席、しかして、赤城は傷ひとつなく悠然と座していた。
対面には、手首を抑えながら呻く高遠の姿。今度の呻きは、娘にまつわる苦悩からくるものではなく、肉体に与えられた痛みによるものだ。
机の上には拳銃と赤城の箸が投げ出され、せっかくのたたきと酒を無残に飛び散らかしてしまっている。
あの時――。
高遠が拳銃を引き抜くや否や、赤城は目にも止まらぬ速さで箸を投げ、見事に高遠の手首へ命中させていたのである。
手裏剣術でも使ったものか……。
ともかく、赤城ほどの達人がこの至近距離から投擲したのならば、ただの箸といえども立派な凶器と化すのだ。
痛みに呻く高遠を見ながら、赤城は眼鏡を外し、三つ編みにされた髪をほどいていく。
「あ……あ……」
変装の解かれたその姿を見て、高遠が呆気に取られたような声をあげた。
「一航戦、赤城です……観念しなさい」
がっくりとうなだれる高遠の背中へ、駆け寄る者が一人あった。
文月である。
加賀たちと共に隠れ潜んでいた彼女は、騒ぎが収まったと見た艦娘たちによって送り出され、この場へ駆けつけたのだ。
「おとーさん……」
「あ……ああ……」
愛する娘の姿を見て何を思ったか……ともかく、高遠の目には滂沱の涙が溢れ、頬を濡らしたものである。
「文月はね、かんむすになってもおとーさんのこどもで、そのことはずっとかわらないんだよ」
そんな自分の父親を、文月は優しく抱きしめる。
愛する娘に抱擁されながら、高遠はいつまでも、いつまでも泣きじゃくり続けるのであった。
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