過去ログ - 【艦これ】五十鈴の調子が悪いようです【SS】
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/11/11(月) 20:30:45.30 ID:foU1KJOC0
しまったようだ。
「もしかして……もしかしてなんだけどさ……五十鈴ちゃん、演習のこと気にしてる?」
「ぐ……」
 図星を突かれ、飯が喉につかえてしまった。
「なんだ……そんなことだったの」
「そ、そんなこととはなんだ!?」
「艦娘だって人間よ? 調子が悪い日だってあるわよ」
「調子が悪かったですまないこともある!」
 思わず握りしめてしまった箸が、べきりと音を立ててへし折れた。艤装を外した艦娘は普通の人間と変わらぬから、これは常日頃からの訓練による成果である。
「わ、私の存在意義は艦娘であることにあるのだ……それがあんな失態を……!」
「んー」
 由良はあごに指を当てしばらく考え込むと、食堂隅に備え付けられたモニターのスイッチを入れた。
『……と、以上がこれまで当代の赤城さんが上げてきた戦果の一覧でして、いや、なんとも壮観なものですねえ』
『いや、さすがは一航戦の力を受け継いだ艦娘であるというべきでしょうか。それだけに、今回の引退がおしまれますよ』
『どうでしょう? ここはもうしばらくの間、現役でがんばっていただくというわけにはいかないのでしょうか?』
『いや、それは無理というものです。と、いうのもですな。艦娘の力というのはある時期に至ると急激に衰えていくものでして、はい。一説では、艤装がより戦闘に適した若い娘を選ぶからではないかと言われております』
『むう……残念なものですなあ』
『いやいや、次代の戦力も着々と育っておりますよ。きっと、そのうちのいずれかが新しく赤城の名を受け継ぐことになるのでしょう』
『楽しみな話ですな。ところで、当代の赤城さんですが三ヶ月後の引退式を経た後、本土に帰還してそのまま結婚式を挙げられるのだとか?』
『ええ、発表によるとお相手は四菱重工の役員岩崎氏だそうで、こちらのフリップに岩崎氏の経歴を――』
「これは、赤城さんの引退に関するニュースか。最近はいつテレビをつけても、この話題で持ちきりだな」
 そこまで告げ、じろりと由良の方を見やる。
「それで、このニュースがどうしたのだ? 確かに赤城さんの引退は残念だが、だからこそ私たちがしっかりとしなければだな――」
「ちがうちがう、大事なのは引退の方じゃなくて、その後よ」
「その後……というと?」
「結婚よ、結婚」
「な……結婚って、お前」
「別に艦娘じゃなくなったって、お嫁さんになっちゃえばいいじゃない?」
「そんなもの……私たちが話題にするのは、早すぎる!」
「あらあら……そうかしら?」
 ぐいっと顔を近づけられ、思わず目を逸らしてしまう。
 目の前の少女は、時折同性の自分でさえもどきりとさせられてしまうような、なんともいえぬ色気を感じさせることがあるのだ。
「わたしは、五十鈴ちゃんならいいお嫁さんになれると思うんだけどな……」
「か、顔を近づけるな」
「あら……あらあら、ごめんなさい」
 ついと顔を離され、ようやく五十鈴はひと息つけた。
「ともかく、いざとなったらお嫁さんになっちゃえばいいんだし、気楽にやればいいのよ。元艦娘なんて引く手あまたなんだし、ね」
 言うだけ言うと、由良は食堂を後にしてしまった。
「はげまし……にきてくれたのか? 一応」
 まだばくばくと鳴っている胸を押さえなが


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