過去ログ - ウサミ「狛枝くん、みなさんと仲良くしてくだちゃい」狛枝「えっ」 2周目
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2013/11/27(水) 06:35:58.46 ID:yKB+E4So0
男 子
No
女 子
秋尾 淑伸
(あきお よしのぶ)
以下略
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2013/11/27(水) 06:36:54.90 ID:yKB+E4So0
乃木坂朔也(男子十三番)と言う男は、典型的な?優男?だった。誰も拒絶しなさそうな柔らかい物腰、控えめだけど決して暗くはない穏やかな振る舞い、親しみやすい笑顔と爽やかな言い回し。誰もが、ああ、この人優しいそうと言う第一印象を抱きそうな、そんな感じ。加えて男前。甘いマスクの王子様みたいな感じ。身長もそれなりにあるし、運動神経も良いようで、?モテる?のもまあ当然と言うか。仲間内では時々、はしゃいだような、無邪気な一面もあって、外側の女子にはそのギャップも堪らないらしい。
ちなみに朔也が親しくしている道明寺晶(男子十一番)も、そのルックスと人懐っこい性格、ミステリアスな雰囲気で様々な女の子をブイブイ言わせている口だったが、下も上も幾人もの女子に手を出しているともっぱらの噂で、故に同学年にはあまりウケが宜しくなかった。武藤灯里なんか関わるのも嫌がるくらい、これは極端だが。そんな晶との比較もあるから、女子の朔也への評価は輪を掛けたように高かった。
まあ、もちろん、素直に紘那も、朔也のことは格好良いと思う。まあ自分は──これは、千恵梨にも内緒なのだが、晶の方をいいなと思っている口だが。
とにかく、乃木坂朔也に対しては、今隣にいる親友も例外ではなかった。一目惚れだったと言っていたっけ。その内側から滲み出るような人柄の良さに惚れたのだと。千恵梨があまりに熱心に片想いを貫いているので、そのもどかしさに最近は幸路知佳子や香草塔子などが露骨に背中を押したりして、多分、それなりにクラスにも知れ渡っているのが、少し可哀想にも思った。千恵梨本人があまり気にしている風ではないので、紘那も口は出さなかったが。そして朔也自身、千恵梨の露骨さに気付いてなさそうなのが、また、可哀想と言うかなんと言うか。
そう言えば、ここにはいないが、現在は同じグループの佐倉小桃(女子六番)も朔也を好きな口だった。以前は──こちらもすでに死んでしまったが、都丸弥重(女子十番)との二人グループで仲良さそうにしていたのに、朔也絡みでなにかあったらしくギクシャクしているところを、千恵梨が心配していて、で、思い切って紘那が声を掛けたのだ。小桃とは、当時からそれなりに親しかったから。今は小桃も弥重も、朔也をどう思っているのか、紘那は知らない。わざわざ触れたい話題ではないからだ。紘那は、千恵梨を、当然のように応援しているのだから。
以下略
905
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2013/11/27(水) 06:37:27.11 ID:yKB+E4So0
「紘那、あたしね、なんだか胸騒ぎがするの」
紘那の手の甲に重なったそれに、ぎゅっと、力が込もる。
「胸騒ぎって、乃木坂のことで?」
以下略
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2013/11/27(水) 06:38:03.51 ID:yKB+E4So0
ついこめかみに寄ってしまった皺を隠すように、紘那は額に指を押し当てて、考える仕草をする。千恵梨に、この不安を悟られないようにしながら。
「でも、灯里辺りが、なんて言うか……」
「みんなのことは、自分で説得するわ。理解して貰えるまで、話すつもりよ」
以下略
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2013/11/27(水) 06:38:37.94 ID:yKB+E4So0
南北の外れに位置する集落の一角に強引に忍び込んだ本堂空太(男子十六番)は、微睡みの世界を漂っていた。分校を発ってからこれまで、間宮果帆(女子十五番)と一緒にいるのだが、昨晩世を過ごした神社では二人ともろくな睡眠を取ることが出来ず、こうして昼の間に交換で、休息を得ることにしていた。今は午前中に休んでいた果帆が見張りをしているところだ。
仮眠に入って、三時間あまりだろうか。休息が必要とは言え、この状況下では爆睡することも出来ない。そこまで神経図太くはない。先に休んでいた果帆も同じだったようで、何度も寝返りを打ったり、起き上がったりを繰り返していた。プログラムの開始から、まだ丸一日も過ぎていないのに、徐々に疲れが蓄積しているのがわかった。精神的にも、体力的にも。
空太は目を開ける。窓際に寄り添った果帆が、時々カーテンの隙間から外を伺うような動作をしている。彼女の精神状態が空太は気掛かりだったが、思ったより安定しているようだ。空太はほっと一息吐いてから、身体を起こした。
「起きた?」
以下略
908
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2013/11/27(水) 06:39:16.84 ID:yKB+E4So0
金見雄大は、シャイで、からかうと可愛いやつだった。大人しい生徒だと思われているが、慣れてない人にはぶっきらぼうに振る舞ってしまうだけだった。半年ほど前に付き合い始めた一学年下の女子──チヒロちゃんだったか──とのことを聞くと、顔を真っ赤にして、普通だよ、と。とにかく普通だよと。彼女の容姿に関しても、性格に関しても、出来事に関しても、普通、としか言わない。それも少し焦ったようにしながら。茹で蛸のように赤面して、誤魔化すように言うものだから、ああ、照れてるんだなあと微笑ましかった。恋愛事情以外に関しては、それなりにお喋りでもあった。
森下太一は、穏やかな少年だった。身体はクラスの男子で一番小さくて、少しだけ、少女のような面影のあるくりくりした目が特徴的だった。菫谷仁(男子六番)や新垣夏季(男子十二番)がよくからかってたっけ。──やーい、チビ! すると、こう言うのだ。──チビじゃねえし、まだ成長期だし! 空太は太一が背が低いのを気にしているのを知っていたので言わなかったが。そんな風に太一は、例え自分が気にする部分を小突かれたりしても、決して怒らなかったし、冗談にして笑っていられるやつだった。二人ともいいやつだった。
そして、八木沼由絵は──自分はあまり接点はない。その恋人の方とはよく話す真柄だったが。ただ、間宮果帆とは幼なじみだったと言う。昼の放送で由絵の名前が呼ばれて、果帆は苦しそうな顔をしていた。普段通り、気丈に振る舞ってはいたが。でも空太は知っている。空太がソファーで横になって、暫くして、果帆の啜り泣く声が小さく聞こえた。すごく、すごく小さかったが。心配を掛けさせまいとしたのだろう。間宮果帆と言う少女は、少しだけ金見雄大と似ているところがあった。慣れない相手にはぶっきらぼうで、不器用。おまけに口が悪い。けれど、情熱的な少女だ。だからこそ空太も、普段から割と親しくしているのだし、接しやすさを感じているのだった。
続いて空太は、レ点の付けられていない生徒に目を走らせて行く。そして、一人の女子生徒で視線が止まった。──佐倉小桃。彼女は空太には、よくわからない少女であった。悪い意味ではなく。弱いんだか、強いんだか。淑やかなのか、お茶目なのか。大人しいのか、明るいのか。謎。もちろん、誰しも持ち合わせている二面性なのだろうが、小桃の場合は内面からの雰囲気が、そのギャップが、極端と言うか。可愛らしい、あどけない、柔らかい感じなのに時折、すごく綺麗だったりとか。気になり始めたのは、もうずいぶん前のことだ、去年とか。まあ──これが恋なんだろうなあ、と。誰にも打ち明けてないが。
彼女は今、どうしているのだろう。あの銃撃戦に巻き込まれていやしないかと、ひやひやしたが、果帆と行動は夜にしようと話し合っていたので(勿論危険は承知だが、自分たちが合流したい面々は昼に動き回ってそうなので、行き違いを恐れたのだ)、自分勝手な行動は控えた。果帆だって同じだったはずだろう、あの銃撃戦には白百合美海(女子七番)や、乃木坂朔也たちが巻き込まれていたかも知れないのだから。
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2013/11/27(水) 06:39:52.31 ID:yKB+E4So0
「ああ、やっぱり美味いや、間宮の入れたコーヒー」
そう言って優しそうに綻ぶ空太の顔を、果帆は嬉しそうに見つめた。
「当たり前だろ、あたし、ちょっとこだわりあるんだよ。ちょっと味は濃い目だけどさ」
以下略
910
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2013/11/27(水) 06:40:39.22 ID:yKB+E4So0
「うーん、まあ、今度でもいいけど」
もっともその、今度、と言うのは訪れないだろうが──果帆が驚いたように振り返った。ほんのりと淡く、頬が染まっている気がするのは、気のせいだろうか。
「お前……まあ、いくらでも入れてあげるけど、その……そんなに気に入ったのかよ?」
以下略
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2013/11/27(水) 06:41:12.41 ID:yKB+E4So0
「最後の瞬間、由絵のそばに勝平がいたなら、いいのにな」
空太はその言葉に押し黙って、もう一度なんと言おうかわからなくなって、目元を拭うような仕草をする果帆をもう一度見つめ、思い切って、言葉を発した。
「勝平、探そうよ、確かよう。それに、白百合、絶対見つけよう。小日向や和歌野も、アキラたちも。俺も、夏季たちに会いたい。な、一緒に頑張ろう」
以下略
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2013/11/27(水) 06:42:21.78 ID:yKB+E4So0
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