過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:22:24.17 ID:BVhJwVsq0
「良いって、オレは別に、穂高がいたらそれで充分だし。オレはずっと一緒にいるよ、相棒だもんな」
「藤馬…やっぱオレお前が1番大好きかもしんない…っ」
「オレも大好きだぞ、もちろん親友として、だけどな」
当然だって、と穂高が笑みを浮かべた。
少しは元気になってくれただろうか?
貴音の抜けた穴を埋めきる事はできないだろうけど(というか無理だろ、できたら怖いよ)、少しだけでも埋める事ができれば良い。15分ほど歩いただろうか。穂高が突然声を上げた。
「…あ、あれ…っ!!」
藤馬と穂高の目の先、黒っぽい物体があった。
2人はそれに近づいた。
「車…」
雨で濡れて、黒焦げになっているそれは、明らかに車だった。
しかも、見覚えがある。
確か、今朝見送った――
「おい、藤馬、あっち!!」
穂高が藤馬の腕を掴み、走った。
止まったところで、藤馬は少し視線を下に向け――目を見開いた。
「不破!?」
藤馬の声に、座って木にもたれかかって頭を垂れていた不破千尋(男子17番)が、ゆっくりと頭を上げた。
僅かに笑みを浮かべる。
それはもう、別れる前に見た強気さの面影もない。
これがあの自信家の千尋か、と疑うほどの、弱々しい笑顔。
「…やぁ」
掠れた声。
2人は互いに顔を見合わせた。
不安げな表情を浮かべる。
「ごめん、失敗しちゃったんだ…」
「あ、いや…」
言葉が上手く出てこない。
傍には矢田美晴(女子18番)の亡骸、そして少し離れた所には浅原誠(男子2番)の亡骸。
今までの事から考えると、ここで誠と何かがあったのだろう。
お互いに恨みあっている仲らしいので。
藤馬の横で、穂高が頭部が欠けた美晴を凝視しているのに気付いた千尋が、俯いて美晴の頬に白い指で触れた。
「…また、護れなかったんだ……」
また、というのは先に起こった濱中薫(女子14番)の一件だろう。
そして、もしかしたら、最初の犠牲者となってしまった栗原佑(男子7番)の存在も、千尋の脳裏にはあるのかもしれない。
「不破…元気出せ…ってのもおかしい気がするけど…
まだ終わりじゃない、もう1回頑張ろうぜ?
オレたちもまた手伝うから、な、穂高!!」
「あ、うん、手伝う、だから頑張ろう、不破!!」
千尋は顔を上げた。
とても、虚ろな目。
「…なんか…頭真っ白で……何も考えられないんだよね……」
藤馬はギリッと歯を喰いしばった。千尋の胸倉を掴み、叫んだ。
「お前、それでも不破か!?お前不破じゃないだろ!?オレの知ってる不破は、自信家で、いっつも余裕で笑顔で、えっと…とにかく、そんな弱音吐いたりしないんだっ!!」
「やめろ、藤馬、不破怪我してるんだから」
穂高が藤馬を千尋から引き剥がした。不破の正面に立ち、手を差し伸べた。
「頑張れ、不破。
お前にはさ、まだ護りたい人、いるだろ?
曽根崎とか設楽とか…今度こそ護ろうぜ、な?」
曽根崎凪紗(女子10番)と設楽海斗(男子10番)、2人の名前が出た時、千尋の目が生き返ったように見えた。千尋が肩を震わせていた。藤馬が顔を覗き込むと、笑っていた。
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