過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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993:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:50:24.54 ID:BVhJwVsq0
いや…今大事なのは、うちを撃ったんが誰かってことやない…
うちの、怪我の、具合や…

千世は左手で自分の腹部にそっと触れた。
一瞬で手が真っ赤に染まるほどに出血しており、それは全く止まる気配がない。
目を開けていることが苦痛だし、体の震えが止まらない。
5月末の夕方とはこれ程までに寒いものだっただろうか――いや、先程までこんな寒さを感じていただろうか。

「あ……あかん……」

声を出すだけでも苦労する。
身じろぎすると、葉瑠が千世の体重を支えきれず、千世はその場にどさっとうつ伏せで倒れた。
なんとか立ち上がろうとしたが、体が思うように動かない。
医学的知識なんて全くないが、今すぐに治療しなければ危険な傷だということくらいはいくらなんでもわかる。
しかし、今、救急車も救急病院もここにはないし、医者もいない。

「う…うち……しんだら……あかん…のに…っ!!」

リーダーの自分が[ピーーー]ば、優人と葉瑠を巻き込んでしまう。
リーダーの素質なんてないのに、2人を引っ張っていけないどころか、むしろ2人の足を引っ張るだなんて最低だ。
殺し合いなんてやりたくなくて。
けれども、その打開策は何もなくて。
ただ2人が笑ってくれたらいいな、だなんて、戦場において甘すぎる考えだった。
甘さと、近くに誰かが近づいていることに気付きもしない無防備さ――あまりにも不足していた危機感が、のんびりとして間の抜けている性格が、自分の命どころか仲間の命までも危険に晒してしまった。

「千世、しっかりして、千世ッ!!
 死なないで、お願いッ!!!」

葉瑠の声も、やけに遠く聞こえる。
せめて、謝らなければ。
謝ったって許してもらえるはずがないけれど。

「……っ」

最早、声も出ない。
謝罪の気持ちを届けることすらできないだなんて。
言葉の代わりに、千世の瞳から涙が零れ落ちた。

ごめん…ごめんね、相葉くん、小石川さん…
うちみたいなんがリーダーに選ばれてもて…巻き込んでもて…
せめて笑っててほしいとか思っとったくせに、うちのせいで笑っていられなくなるとか…ほんま、うち、最低なリーダーもどきやった……

雪美ちゃん、古都美ちゃん…お別れ、言えんかった、なぁ…
最低やった…罰…やろか……
華那ちゃん……もうすぐ、行くわ――


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