過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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992:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:49:33.52 ID:BVhJwVsq0
仲の良い子に会いたい、話をしたい、「プログラムなんておかしいよね」って言い合いたい――それがこの状況を打開することに何一つ結び付かないのはわかっているけれど、笑顔を浮かべていられることにはきっと結び付く。

「きゃっ、あたし千世のリーダーシップに惚れる!」「そんな、葉瑠ぅ…」、そんな2人のやりとりにくつくつと笑いながら千世は立ち上がり、荷物を持った。

雪美や古都美はどこにいるだろう、2人とも木々を掻き分けて道なき道を進む姿なんて想像できないから建物の中にいたりするのだろうか、そういえば古都美は虫がとても苦手で蟻が机の上を歩いていただけでも怖がっていたっけ――


ぱんっ ぱんっ


…え……?

突如、これまでに何度か聞いた破裂音が耳に届いた。
同時に、千世は二度背後からハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
手にしていたデイパックがどさっと地面に落ち、その隣に千世は膝を付いた。

「荻野ちゃんッ!!!」

「千世、千世ぇッ!!」

女子の中で最も背が高く横幅もそれなりにある千世の大きな身体を、千世よりも小柄な葉瑠がなんとか支えてくれたので、千世はその場に倒れて顔面を強打するようなことはなかった。
しかし、腹部に開いた穴からは血液が溢れ出し、服に染み込み切らない血液はぼたぼたとアスファルトに落ちていき、血溜りはみるみる広がっていった。

「誰、誰なのッ!?」

葉瑠が叫んだ。
千世の背後、アスファルトを叩く踵の音が数種類聞こえた。
千世を支える葉瑠の手に、ぐっと力が込められるのがわかった。

「…また、アンタたち…なんだ…」

「どうして…なんで……なんでだよ…ッ!!
 そんなに、俺たちの…俺のこと殺したいのかよ、ヒデッ!!」

千世は目を見開いた(瞼が重い、目を開けることはこんなに難しかっただろうか)。
優人は確かに“ヒデ”と言った。
つまり、今千世の後ろにいるのは――

「違うよ優人、そんなわけないじゃないか。
 ただ、俺たちが行く先々に、優人たちがいる…それだけだよ」

悲しげに聞こえる柔らかな中性的な声――それは間違いなく、優人の親友である春川英隆(男子十四番)のものだった。
つまり、千世たちを襲ったのは、宍貝雄大の命を奪った第10班だ。
背中を向けている千世には確認できないが、きっと側にはチームメイトである望月卓也(男子十七番)・財前永佳(女子六番)・広瀬邑子(女子十五番)もいるだろう。


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