過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part8
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30: ◆zvY2y1UzWw[saga sage]
2013/11/21(木) 00:48:29.00 ID:4/MZyyvO0
「…君、それは?」

腰にベージュの人形を下げたパップは、言葉を発するぬいぐるみを持つナニカに咄嗟に質問してしまった。

「黒ちゃんだよ?あたしのお友達なのー」

「黒兎ダ。それ以上でもそれ以下でもない、タダの可愛らしいぬいぐるみさんダヨー」

「…そうか」

カースの核を埋め込んだ人形は、ちゃんと大人しくしている。そして目の前の黒いぬいぐるみからは、少なくとも似た感じはしなかった。

(それ以前に、カースを埋め込んだぬいぐるみなんて、こんな小さな子供が持っているわけがないな。自分としたことが思わず聞いてしまった…)

ただ単に、ぬいぐるみを操作できる能力を持っているのだろう。パップはそう判断した。

「…とりあえず、君はもっと人気のある場所に居なさい。はぐれたなら迷子預り所まで行くかい?」

「行かなーい。迷子じゃないから大丈夫だもん。お祭りにはお姉ちゃんも来てるから、探さなくても大丈夫!」

(パパとママはいないのにお姉ちゃんは居るんだ…よくわからない家族ね)

首を傾げる梨沙に、ナニカは駆け寄る。

「さっきは本当にありがとう!リサお姉ちゃん、アイドルヒーロー頑張ってね!」

「う、うん…」

そう言って笑顔で手を握ると、ナニカは手を振りながら去って行った。

…お互いに知らない事実。それは二人はとある少女に正反対の感情を抱く者同士と言う事。

加蓮に溢れるほどの愛を抱く少女と、加蓮に激しい憎悪を抱く少女。

お互いにそれを知っていたら、こうして触れ合う事もなかっただろうに。

それを、この場の誰も、知らない。


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