18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/25(月) 23:56:51.49 ID:2LUuHdJ70
「ハグ、ハグだぞ後輩」
「男は度胸! ですよ!」
「わかるわ」
外野がうるさい。
「お前ら………………それでもアイドル業界の人間か………」
しかし、そこに込められた冷やかし的な意味はともかくとして、単なる指示としてはまっとうなものだと思った。
幸い、事務所にマスコミ関係者はいない。
いるのは腹黒い事務員とプロデューサーとアイドル諸君だけだ。
………………後で話の種にされることは分かっているが、仕方あるまい。自業自得だ。
「………………………アナスタシア」
おずおずと回した腕は、五秒ほどの逡巡を経てようやく彼女の背に触れた。
その腕の感触から自身の手首が解放されていることに気づいたのか、アナスタシアもまた、空いた腕をこちらの背に回してきた。
俊敏な動きに外野から驚嘆の声が上がる。
「H(#%HQ8HGy38hyq4h!!」
「…………すまない、何を言っているかさっぱりだ」
アナスタシアは未だ俺の胸に顔を押しつけたままだ。
「Hhj$rh4$i"#$jH!! L"O#Fkpgkg;o@K[ge!!」
「意思疎通する気はないのか………………」
「E4"gdg'49fgduGa!」
「うっふ………」
どすんと背中を叩かれる。思いのほか力が強い。
………………………あ。
ふと、彼女の奇行に思い当たることがあった。
「すまない、アナスタシア。あれだな、少し力が強すぎたか。胸に押さえつけられているから息もできない、とそういうやつだな。申し訳なうっふ………」
腕の力を緩めようとした途端にまた殴られた。ああ、ちゃんと表記しよう。殴られた。叩いたなどという軽いものではない。この痛みは殴打のそれだ。
「こ、拳で語り合おうとは、なかなか肉体派じゃないか、アナスタシア………だがまあ、強い女性というのはいつだって魅力的なものだしな。人を魅了するアイドルもまた強い方がいいのだろうが多分その強いは心の強さなどを指すんじゃないだろうかうっふ……………」
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