112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:03:07.86 ID:Hl+0ruDFo
その未来の果てには、確かに魔獣が存在しない世界もまたありえるのだろう。
代わりの何かがその穴を埋めるように現れるだけで。
結局の所、誰がどう動こうと、この世界の在り様など変わりはしない。
ただ殺すべき明確な敵が強大な壁としてそこに居れば、彼女たちはそのために生きられるというだけのこと。
113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:03:59.52 ID:Hl+0ruDFo
仰ぐ天に、もう光は射していない。
分厚く雲が空を覆い尽くして、稲光が世界を震わせている。
114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:04:47.19 ID:Hl+0ruDFo
地を蹴る音が伝わるよりも早く、彼女との距離を詰める。
目がそれを捉えても反応できないくらいに。
抵抗など試みることも許さないほどに。
力のままに彼女をコンクリートに押し倒し、細い首に両手をかけて締め上げる。
115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:05:14.18 ID:Hl+0ruDFo
「あっ……ぐ、がは、げほ、っ」
116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:05:59.92 ID:Hl+0ruDFo
「そんなはずないわよね。あなたがそのことを覚えている限り、あなたの心は沈み、穢れ、呪いを生み、いずれ破滅する」
117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:06:28.07 ID:Hl+0ruDFo
「あなたはまだ取り返しが付くのに」
118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:06:54.58 ID:Hl+0ruDFo
「なくしたはずの機会。ありえないはずの再会。あなたはそれをまたどぶに捨てるの?」
119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:07:20.81 ID:Hl+0ruDFo
「……じゃあ」
120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:08:00.05 ID:Hl+0ruDFo
「あたしは確かにあたしの想いを無理やり飲み込んでるよ。そうだよ、あんたの言う通りだよ」
121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:08:49.21 ID:Hl+0ruDFo
「……黙り、なさい」
「どうしてあたしを焚き付けて、わざわざ自分でかけた呪いを取ってまで、素直になれって言い続けるんだよ」
122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/03(火) 15:09:30.54 ID:Hl+0ruDFo
怒りが私の身体を巡って、制御も効かなくなって、暴れ回って外に出て行く。
世界が揺れて、光が落ちて、風が荒れ狂って、翼から染み出た闇が私を起点にどこまでも広がる。
ある所で止まった影が、質量を持って、先を鋭く尖らせて、その先端を一点に向ける。
私の世界を乱した侵略者へ。
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