過去ログ - 千早「オシロイバナ」
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/12/02(月) 23:22:19.09 ID:7uDsyhBso
ダメだ。溢れる。

空っぽになった胸腔にあずささんへの愛が注がれ、耐えた涙も、貯めた想いも全部が溢れ出てしまいそうだ。

良いと思ったのに。終わって良いと思ったのに。そんなことを言われたら、私は抑えられない。注ぎ口を。全部を押し流してしまう川の流れを。自分の言葉を。

諦めなくてもいいと思えてしまえば、それに縋ってしまう。それに希望を見てしまう。だって、だって私は貴女のことが、こんなにも

「だいっ好きですっ……、あずささん」

溢れる。もう止まらない。想いが身体の外に出てしまう。

涙が彼女の肩口を濡らし、しがみつく指の先が震える。

言葉が零れる。

好きです。大好きです。愛しています。ずっと好きでした。ずっと愛していました。理由なんて無い。ただあなたが好きなんです。ただ愛しているんです、あずささん。好きで好きで、苦しいほどに。

嫌って欲しいと思っていました。辛いだけの片想いなら、もう消してしまいたかったんです。私は、私の臆病の為にあずささんに酷いことをしました。

でも、貴女は私が思っているより優しくて、私が思っているより大人で。私はそれに甘えて、もっと酷いことをしてきました。

私は臆病で、卑怯で、愚かで。本当なら、想いを伝える資格はありません。気持ちを口にする権利がありません。

でも、止まらないんです。溢れて溢れてどうしようもないんです。

好きです、あずささん。貴女の全部が知りたいんです。私の全てを知って欲しいんです。貴女の全部が欲しいんです。私の全てをあげたいんです。

好きです。大好きです。愛しています。あずささん。

渡した。今まで言葉にすることなく、歪んだ方法で押さえ込んでいた私の想い。言葉にして、それでもまだ足りない好きの気持ち。

あずささんの言葉を待つ。私の好きは重いだろうか。私の言葉は望んでいたものだろうか。私の気持ちは拾ってもらえるだろうか。今さら虫のいいことだろうか。

不安と希望で胸が痛い。一秒一秒が重く、硬い。

「千早ちゃん、こっちを向いて」

あずささんの声が私を促す。でも無理だ。彼女の目に見つめられる勇気がない。

「千早ちゃん」

ぐずっている私の顔をあずささんの手が包む。肩から引き剥がされ、強くて優しい瞳に向かい合わせられる。顔を背けたくて、目を瞑ってしまいたくて、でも吸い込まれるように見つめて離せないあずささんの瞳、あずささんの視線。

「あずさ、さん……」

伏せられる瞳。そっと顔が近づいてくる。あずささんからしてくれる初めてのキス。柔らかくて、優しくて、温かくて、愛しい。

「ありがとう、千早ちゃん。私も好きよ」

そう言って微笑んだあずささんは何よりも綺麗で、ただ美しくて。私も答えたいのに、私も笑いたいのに、私も大切なキスを貴女にしたいのに。
だけど、涙が溢れ出して止まらなかった。嬉しくて、幸せで、心地よくて。

長く、長く、私はあずささんの名前を呼びながら、あずささんに包まれて泣いた。



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