19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:33:33.98 ID:gLkbd9Kt0
・第2章
「夏風さん」
昼休み。突然名前を呼ばれ、いざ口へ運ぼうとしていたタコさんウインナーを落としそうになった。
さわがしい教室が静まり返るほどの美しい声音。小さなざわめきは、だんだんと大きくなっていく。その中心はやっぱり彼女がいた。
「おい、緋月紫音だろ、あの人」
「なんでここにいるのかしら……?」
クラスメートのざわめいき、ささやき声がやけに大きく聞こえる。緋月先輩は教室に入ってくるとまっすぐに私の方へとやって来た。
そして目の前に立つと、手に持っていた大きめのふろしきづつみを上げて言った。
「良かった、まだ全部食べてないみたいね」
全部食べてないって、もう半分食べてるんですけど。
けれどそれを口に出すことはやっぱりできなくて。多分、この後に続くのはあの言葉なんだろうな。
「お弁当、一緒に食べましょ」
「は?」
私のかわりにさくらが声を発した。しかし、さすがのさくらも緋月先輩に無言の視線をあびせられると黙り込んでしまった。
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